オトナのお店“出稼ぎ”の収入事情
“オトナのお店”は、一つのお店で腰を据えて働く「在籍」と、決められた期間だけ遠方へ行って働く「出稼ぎ」の2つの働き方がある。どちらを選ぶかは女の子次第だが、日給が保証される出稼ぎの方が収入に対する安心感を得られるため、そちらを好む人は多かった。しかし、時代の変化とともに客入りやキャストの動き方も変化している。「出稼ぎの方が絶対良い」とは言い切れず、場合によっては在籍を続けながらじっくり働く方が稼げることもあるのだ。
令和の今は、在籍と出稼ぎ、どちらが高収入なのだろうか。
一発ドカンなら出稼ぎだが…
出稼ぎは決められた期間、遠方へ飛ばなければならないが、店の指定した稼働時間さえ守れば日給保証が出る。金額はキャストのレベルによって異なるが、「超・有名セクシー女優」など、誰もが飛びつく肩書きを持てば、国内でも10万円近くは保証されるだろう。もし10日行けば月収100万円なので、“一発ドカン”を狙うなら出稼ぎが優位である。
けれども、出稼ぎに行けば毎回10万円が確約されるとは限らない。短期間の労働といえど、客の評判が悪ければ二度目の受け入れはなく、同じ店に何度も行けば飽きられる。全国各地を転々とすれば、いずれ限界が見えてしまうのだ。
また、国内を行きつくした後に海外に飛ぶケースも増えているが、実は海を渡っても同じことが起きやすい。
出稼ぎは短期でパパッと稼げる利点があるものの、人によっては寿命が縮まる部分は否定できない。また、日給の保証額が低いのならわざわざ地方に足を延ばす意味がないだろう。
安定を狙うなら在籍の方がベター
夜職は効率よく稼げるのが一番の利点だが、そのぶん安定させるのが難しい。最初は新人と売り出せばある程度客が取れるせいで、あぐらをかいて努力を怠り、その後尻すぼみになるキャストが過半数を占めるほど。先ほど解説した出稼ぎに関しても同じで、高い日給保証を打ち出されて適当な接客をしたり、稼げるからといって高頻度で同じ店をリピートすると、大抵は収入が落ちていく。前者は受け入れ拒否をされ、後者は飽きられて「次回は保証3万円ダウンで」なんてのもよくある話だ。
一方、在籍は同じ場所での勤務を続けるので、しっかりと頑張っていれば結果は自ずとついてくる。短い期間しかこない出稼ぎキャストより客も遊びに行く予定が立てやすく、毎月人気ランキングに入っていれば「安心して遊べる子」のイメージがつき、店も猛プッシュ。その結果、収入が安定していくのだ。
高収入よりも安定を狙う人が増えているワケ

また、出稼ぎを希望する人が次から次へと増えすぎて、競争が激しくなったのも、在籍で勤務する女の子が増えた理由の一つと言えよう。なかなか大きく稼げなくなったせいで、高収入よりも安定を狙う方へシフトチェンジしつつあるようだ。
一度高収入を手にしたらやめられなくなる
夜職は基本的に短命なものだが、個人の努力次第で延命は可能。「1カ月限定で夜職をする」などのド短気でない限りは、どこかに身を置く方が今は稼げる。まぁ、一度高収入を手にしたら1カ月ではやめられなくなってしまうのがこの業界の“よくある流れ”なのだが……。コロコロといつまでも落ち着かないよりも、どっしりと構えて働くのが夜の世界でも重要視されるということである。
文/たかなし亜妖
【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。