元メガバンク行員の金融ライター、渡辺智です。
筆者はメガバンクに11年間勤めた経験があり、FP1級の知識を活かして5000人以上のお金に関するコンサルを行ってきました。


富裕層からマス層まで多くの顧客の資産運用の相談に乗ってきましたが、「銀行で資産運用してはいけない」と強く思っています……。

今回は、「元銀行員が暴露する銀行の資産運用の実態」について解説をします。これを読むと、銀行で資産運用をしようとは思わなくなるでしょう……。

対面型の銀行の営業マンには必ずノルマがある!

「銀行で資産運用の相談をしてはいけない」元メガバンク行員が暴...の画像はこちら >>
銀行の営業マンは慈善事業を行っているわけではありません。

もちろん、顧客の相談には親身になって乗る銀行員がほとんどだとは思いますが、必ずノルマがあります。

ノルマを達成するためには、たとえ顧客に合っていない金融商品でも平気で売り付ける傾向にあるので、注意してください。

例えば、条件が悪い債券などに関しては、営業マンの本音としては販売したくなくても、支店で必ず消化しなければならないノルマがあるため、説明義務がありつつも無理矢理にでも販売をします。実際に私もやってきました。

ここまでならまだいいですが、最近の銀行の資産運用の現場は大変なことになっているのをご存知でしょうか?

顧客が運用商品を解約すると営業マンの成績にマイナスに働く!

「銀行で資産運用の相談をしてはいけない」元メガバンク行員が暴露する内部事情。預金が数百万円程度の客は“新人の練習台”に
銀行
一昔前までは、営業マンの評価はいかに収益を稼ぐかで決まっていました。

私がメガバンクに勤めていた頃も、高い手数料の投資信託や生命保険を販売することが当然ありました。

販売するだけではありません。顧客が運用商品を解約すると、営業マンの成績、支店の成績にマイナスに働きます。

そのため、どんなに利益が出ていても、解約されてしまうとマイナスの評価になってしまうため、何が何でも解約を阻止するようになっています。

資産運用はあくまで利益を出すために行うものです。
利益は確定をしなければ意味がありません。

これでは全く本末転倒な状況です。なぜこのような評価体系になっているかというと、銀行は運用商品を顧客が持っているだけで、投資信託の信託報酬のように継続的に収益が入ってくるからです。

銀行は富裕層しか相手にしなくなっている!

「銀行で資産運用の相談をしてはいけない」元メガバンク行員が暴露する内部事情。預金が数百万円程度の客は“新人の練習台”に
お金
以前から銀行は富裕層重視でしたが、今はよりその傾向が強くなっているようです。

預金が数百万円程度の人に関しては、もはやお客だと思っていないかもしれません。実際に経験が豊富な営業マンがつくことはほとんどありません。

すごく悪い言い方をすると、新人の練習台にされがちです。

もちろん、新人の中にも、投資や金融の知識が豊富な人もいますが、ほとんどはそうではないでしょう。

一方、富裕層に関しては、経験豊富な営業マンがつき、グループの証券会社などを紹介して、利益が出る可能性が極めて高いIPO (新規公開株)を優先的に渡したりしています。

もちろん、すべての銀行がそうではないかもしれませんが、このような傾向にある銀行はあるので、お金をあまり持っていない人が銀行で相談する意味は無いでしょう。

解約をさせてくれない銀行に相談する意味は無い!

自分が好きなときに運用商品の解約をさせてくれない銀行に相談する意味はあるでしょうか?

私はないと思います。しかも、対面型の銀行に関しては、投資信託や外貨預金の手数料が異常に高いです。

今はネットを開けば、様々な投資に関する情報が手に入りますし、投資に関する良い本もたくさんあります。


ぜひこの記事を見ている皆さんは、銀行に頼るのではなく、ご自身で情報を集め、適切な資産運用を行うようにしてください!

<文/渡辺智>

【渡辺智】
某メガバンクに11年勤務。リテール営業やプライベートバンカー業務を経験。その後、外資系保険会社で営業。現在は金融ライターとして独立。FP1級保有。難しい「お金の話」をわかりやすく説明することをモットーにしています。公式SNS(X)は、@watanabesatosi7
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