織姫と彦星が年に一度しか会えないように、僕らパチンカーにも、「もしかして……」と夢を見てもいい特別な一日がある。それが七夕。いや、“パチンカーの七夕”なのだ。
とはいえ、そんなロマンチックな幻想は、朝の抽選で粉々に砕かれるのだけれど……。
2024年の七夕「熱狂の記録」
昨年、2024年の7月7日。新宿の有名ホール「マルハン新宿東宝ビル店」では、なんと抽選参加者が3万人を突破した。
秋葉原も駅前に大名行列、池袋の「入店したら終わり」といわれるホールまでもが超満員。ボッタ店すら満席になる日、それが7月7日なのだ。
数週間前から始まっている“七夕の小競り合い”
そんな「七夕パニック」を想定して、今年は早めに動いた。まず、都内でグランドオープンを控える店をいち早くマークし、会員カードを作成。ここは16桁の会員番号を入力するネット抽選方式だった。

でも、これだけじゃ不十分。インターネットやSNSで「パチンコ」「グランドオープン」「創業月間」などと検索し、可能性を感じるホールを洗い出す。
要するに、ゾクゾクさせてくれる台に座るには、根回しが必要ということ。
店を選び、抽選を突破し、そしてようやく「台を選ぶ」フェーズに進める。七夕の小競り合いは、数週間前から始まっているのだ。
過去7年分の「7月7日の戦績」を公開
七夕は特別な日。それだけに、記憶にも鮮明に残っている。・2016年:「CR大海物語3SP」がまったく回らず、即移動。「CRサンダードラゴン」で攻略打ちに頼り、プラス7万円。出禁覚悟の一戦だった。
・2018年:「CR北斗無双」は空回り。「沖海4」で奇跡のボーダー+7台を掴むも、結果はマイナス2万円。回る=勝つとは限らない。
・2019年:「CR大海物語4ブラック」→「P沼」へ。アナログ機のロマンに賭けたが、マイナス4万円。
・2021年:「CR真・花の慶次2 漆黒」→「超韋駄天」。暴力的な右打ちに呑まれ、マイナス6万円。
“7月7日ならではの仕掛け”も

・2023年:4台試してすべて撃沈→移動して「北斗無双4」の良台を掴んだのに、マイナス5万円。釘が良くても、運がなければ無力。
・2024年:甘デジを試した先に行き着いたのが、「P sin七つの大罪」のボーダー+2。マイナス5万円。店内の笹に「3万発ください」と短冊を飾ったが、願いは届かず。
こうして振り返ると、意図せず「北斗七星」や「七つの大罪」など、“7”にまつわる機種ばかり打っていることに気づく。これはもう、遊び心ある店長のイタズラとしか思えない。
注意すべき「我慢の罠」とは
今年話題の「ラッキートリガー3.0プラス」が、7月7日から導入される。だけど、その押し引きは運や奇跡ではなく、釘次第だ。寄り釘、風車、ヘソ、道釘、ステージ性能、出玉性能。それらを見極めてこそ、七夕を安全に楽しむことができる。ブームに流されず、過去の傾向を読み、「北斗シリーズ」からチェックするのが戦略的な選択肢に思える。
また、移動が難しくなると、台に執着する心理が芽生える。だが、それは落とし穴。移動候補が少ない状況は、立ち回り難易度を跳ね上げる。注意すべきは、そういう「我慢の罠」だ。
それでも、あの独特の空気感、年に一度の“夢が渦巻くあの空間”だけは、どうしても味わいたい。だから、僕は今年も並ぶ。
願うんじゃない。
文/ミネッチ
【ミネッチ】
技術と釘読みで凌ぐパチプロ生活が20年。その稼働内容を、雑誌(パチンコオリジナル実戦術、必勝ガイドMAXなど)に寄稿し始めて10年が経つ。YouTubeの密着シリーズ(パチダンTV)は特に人気があり、70万回再生を超えた。