炎上すら計算だった!?SNSが果たした役割
’25年夏、沖縄北部に誕生した「ジャングリア沖縄」。この新たなテーマパークを仕かけているのが森岡毅さんだ。1972年生まれの52歳で私と同じ年の生まれなのに、700億円もの資金調達を行い、実現に至ったことがまず凄い。森岡さんと言えば、USJをV字回復させた立役者としても知られている。だから期待度も自然と上がる。開業前から話題性は十分だったものの、オープン直後、ネットでは猛暑並みの熱を帯びた意見が入り交じった。Googleマップの口コミが突如激減、「運営が低評価を削除したのでは?」という疑念がSNSで広まり、ちょっとした炎上騒動となったのだ。実際に訪れた人からは「最高に楽しかった」「自然を生かした没入感がすごい」といった肯定的な声も多い。子どもが全力で遊べる自然型アトラクション、大人がスマホを置いて本気で泥にまみれる場所。そんな体験を称賛する声は確かにある。一方、「イメージと違う」「雨の日は行き場がなくてしんどい」「スタッフが足りない」「アクセスが不便」など厳しい意見もかなり目立った。
森岡毅さんの手腕に期待してしまう
だが、驚きも怒りも笑いもすべてがネットに拡散され、そこにメディアも飛びついた。ただ、もしかしたら、この“騒動”こそ最大のプロモーションだったのではないかと私は思う。森岡さんの作戦にまんまとハメられているんじゃないか?? 批判を受けながらも人々が集まりSNSでは再評価の声も上がる。そして一つ確かなのは、この騒動がなければ私は今ここでジャングリアの名をエッセイに書いてなどいないということだ。
そしてすべてはここから。

【鈴木おさむ】
すずきおさむ●スタートアップファクトリー代表 1972年、千葉県生まれ。19歳で放送作家となり、その後32年間、さまざまなコンテンツを生み出す。現在はスタートアップ企業の若者たちの応援を始める。コンサル、講演なども行っている