今年12月8日に結成20周年を迎えるAKB48。アニバーサリーソングとなる66枚目シングル「Oh my pumpkin!」が8月13日にリリースされた。
今作では、現役メンバーに加えて、卒業生4名(前田敦子・高橋みなみ・小嶋陽菜・指原莉乃)と7か国の海外姉妹グループから選抜したメンバー22名で編成。まさに、AKB48らしさ溢れる“時間と国籍を超越した”作品に仕上がっている。
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そのなかで、シングル選抜入りした18期生の八木愛月と新井彩永、19期研究生の伊藤百花は何を感じたのか。今作を通して次世代メンバーとしての思いやOGからの金言、自分達の未来予想図まで語ってもらった。

OGの先輩方は「本当に実在してるんだ」

――18期生は、今年6月に行われた昇格記念ライブでのパフォーマンスが話題になりました。千秋楽では感極まるメンバーも多かったですが、収穫は大きかったですか。

AKB48新世代が語る"OGとの共演"~指原莉乃の差し入れ秘話も~
新井彩永
新井彩永(以下、新井):18期生は全員で昇格してコンサートするのが夢でもあったので、そのコンサートを無事に終えられたという達成感がありました。初めて自分たちが引っ張っていくコンサートを経験して、難しいところもあったんですけど、それをたくさんの人が支えてくださったり、ファンの皆さんが盛り上げてくださったりして成功したので、改めて感謝の気持ちですね。

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八木愛月
八木愛月(以下、八木):私は前回のシングル「まさかのConfession」のセンターということもあって、引っ張らないとって気負っていたんですけど、18期生全員が「引っ張っていくんだ」という気持ちが出ていて嬉しかったですね。なので、プレッシャーを感じるというよりは楽しみのほうが大きかったです。一緒に出演した19期・20期研究生の後輩ちゃんたちもすごく楽しんでやっていて、この期間ですごく仲良くなったので、私にとって大切な時間だったなと思います。

――となると、打ち上げは盛り上がりました?

八木:それがしてないんですよ~。「終わったら絶対に行こう」と言っていたんですけど、スケジュールが合わずで。
なので、私たちの昇格記念ライブはまだ終わってないです!(笑)

――打ち上げ会場は、やはり焼肉ですか。

新井:まだ何も決まってないね。18期生が先導して決めたいなって思ってます!

――そして、20周年らしい豪華な新曲「Oh my pumpkin!」がリリースされました。7月19日に放送されたテレビ番組「音楽の日」で一足早く披露したときの反響はすごかったですね。

新井:記念すべきシングルだなっていうのは初披露の反響を受けて感じました。OGの方々や海外姉妹グループの方も参加してくださって、本当にお祭りみたいな感じですね。ただ、私は初選抜ですが、その環境に甘え過ぎないようにしなきゃいけないという思いも強くて。自分にできることを1人1人がやっていくことでグループが盛り上がる20周年になると思うので、そこの部分を意識するようにしてます。

――「Oh my pumpkin!」という楽曲にはどんな印象をもちましたか。

八木:最初にチリンチリンって自転車のベルの音が入ってるんですけど、それを聞いた瞬間から青春が溢れるような楽曲で「キター!」って思いました。かつてのAKB48に加えて、今のAKB48らしさも詰まっています。最初にタイトルだけを聞いたら「夏にハロウィン?」って疑問だったんですけど、そのあとに、my pumpkinが愛しい人という意味だと教えてもらって、めっちゃいい!ってなりましたね。


――my pumpkinはスラングで使われているそうですが、英検準1級を持っていて英語が得意だという新井さんは知っていました?

新井:両親がイギリスに住んでいた影響で小さい頃から英語に触れる機会は多かったのですが、my pumpkinは古いアメリカのスラングらしいので、今回初めて知りました。今でいう「ハニー」「ダーリン」と同じ意味だというのも初めて知りました。

――じゃあ新井さんは親から「my pumpkin」とは呼ばれてなかった。

新井:さすがになかったです(笑)。

――1番後輩の伊藤さんは、テレビで見ていたOGの方(前田敦子・高橋みなみ・小嶋陽菜・指原莉乃)と一緒にレッスンしているというのはどんな心境なんでしょう。

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伊藤百花
伊藤百花(以下、伊藤):自分が小学生の頃にテレビの向こう側にいた方たちなので、本当に存在しているんだという確認から入りました(笑)。偉大な先輩なんですけど、実際にお話しするとフランクに接してくださってます。

――そんななか、八木さんは指原さんにイジられまくっていたと。

八木:はい。練習では1回も振りを間違えなかった曲で初めて間違ったときに、まだ曲の途中なのに「八木ちゃん間違えた。嬉しい~!」ってイジられたり(笑)。「恥ずかしいからやめてください~!」って私がリアクションしたら、それも嬉しそうでした。


――八木さんのキャラクターをわかったうえで接してくれていたんですかね。

八木:そうかもしれないと思うほど、最初から私の扱いを知ってらっしゃる感じでした(笑)。そういうのが仲良くなるきっかけでもあったので、優しさを感じましたね。

新井:指原さんはすごくフランクというか、1番気さくな方の印象があります。私が初選抜なことを知っててくださったみたいで、テレビ番組での初披露の日に、「緊張する?」とわざわざ声をかけてくださって。どうやって爪痕を残すかをアドバイスしてくださったりしました。私は今回のポジションが3列目の端っこなんですけど、指原さんもミュージックビデオで2秒しか映らなかった時代を経て、どうやってポジションを上げていったのかっていうお話を聞いて、そんなところまで見通しているのがすごいなと思いました。

――自分が経験してきたことを本人から聞けるチャンスはなかなかないですよね。八木さんは仲良くなったと言ってましたけど、連絡先交換にも成功したり?

八木:それはしてないんですよ。でも、この一緒に活動できる期間中に皆さんとツーショット写真は撮りたいと思って、日々、距離感を詰め詰めしながら頑張ってます。

新井:詰め詰め(笑)

――そんなOGの先輩方から豪華な差し入れとかはなかったですか?

伊藤:レッスンのときに指原さんが、韓国で流行っているカムジャパン(じゃがいもパン)を「これ美味しいから食べて」って差し入れてくださって。

――さすがですね。
話題性もあってSNSにも投稿できるようなものを。

伊藤:そうなんです! しかも、カロリーも抑えてある商品を選んでくださって。

八木:初めて食べたので、みんな喜んでました!

未来の後輩に憧れてもらえるように

――さすがアイドルプロデューサーは差し入れも違いますね。今作は海外姉妹グループのメンバーも参加されていますが、新井さんは英語で交流したりも?

AKB48新世代が語る"OGとの共演"~指原莉乃の差し入れ秘話も~
新井彩永
新井:そうですね。私は海外の子達のほうが一緒に居る時間が長いぐらい仲良くなりました。彼女たちも異国の地に来て活動しているので頼ってくれることが多くて、レッスン中もダンスの先生から「彩永ちゃん、ここ訳して伝えてほしい」っていうような感じで通訳の役割もしています。

――そのなかでも1番仲良い子っています?

新井:今のところJKT48キャプテンのグラシアちゃんかな。年齢は上で先輩なんですけど、日本語を頑張って覚えてくれたりとか、インドネシア語も教えてもらったりしました。

――やはり英語が話せると世界が広がりますね。

新井:この期間はすごく実感しましたね。ここまで英語が役に立つ機会があるとは思っていなかったので、初選抜入りが海外姉妹グループの皆さんが初めてシングル曲に参加する20周年のタイミングでよかったなと思いました。

――ちなみに、伊藤さんと八木さんの語学力は?

伊藤:私は大学で英米文学を学んでいるので、すごいしゃべれるわけではないですけど、ある程度は。


八木:(その話を聞きながら、そっとうつむく)

――隣りに座っている方の顔が一気に険しくなりました。

八木:だって、私はわかってますよね……(苦笑)

伊藤:私もちょっと、ちょっとです!

――八木さんは海外グループの子達と交流するときはどうしていたんですか?

八木:擬音ばっかりですね。

――擬音!?

八木:表情とかリアクションを多めに(笑)。でも、みんな日本語を勉強してくれていて、英語で自己紹介は練習したんですけど使わなくても済むぐらい。もう少し話せるようになりたいので、彩永に教えてもらいながら頑張りたいです!

新井:慣れだから話してたらいけるよ。

――この3人は海外公演の経験はあるんでしたっけ?

新井:私は今年の6月に、イベントで上海に行かせていただきました。そこでは、中国語で挨拶したりとか。

――中国語も話せるんですか!?

新井:フランス語も高校のときに第二外国語で学んでいました。なので、日本語と英語とフランス語に加えて、中国語を頑張ってます。上海や香港でも20周年ツアーとして公演をさせていただくので、もっと語学のスキルを上げたいなと思っています。

――八木さんも急ぎましょう。

八木:急ぎます! まだ間に合う気がする。


――ほかにも今回のシングルには伊藤さんの初センター曲「スマホ、見てる場合じゃない」も収録されています。ネットでは、ビジュアルメンバーが揃ったと沸いていましたが初センターの心境はどうですか。

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伊藤百花
伊藤:まさかこのタイミングでセンター曲をいただけると思っていなかったので、すごく嬉しいかったです。最初にタイトルだけ聞いていたんですけど、曲名からパンチが効いていますし、曲調も現代っぽくて楽しい雰囲気の楽曲。早くライブで披露したいです!

――そんなタイトルにかけての質問ですが、皆さんはスマホなしの生活は耐えられます?

新井:私はスマホをそんなに触らないので、全然大丈夫です。とくに夜10時以降にはスマホを置いちゃうんですよ。だから同期の誕生日とかで他のメンバーは日付変わってすぐに「おめでとう!」ってメッセージを送るなか、私は寝ちゃっているからいつも翌朝になっちゃうのはあります。

――夜に触らないっていうのはマイルール?

新井:特に決めてるわけじゃないんですけど、もともとスマホに依存してないのかもしれないです。本を読んだり、テレビを見たりすることのほうが多い。ゲームをしないから、スマホを触らないのかもしれないです。

八木:お仕事中はスマホをめっちゃ触るんですけど、オフの日は全然触らないですね。プライベートで遊んでいるときは見ないようにしていて、それこそ「スマホ、見てる場合じゃない」っていうぐらいデジタルデトックスを意識してます。ただ、全然見てないとお仕事のメッセージがすごい溜まっちゃうので、それだけが怖いです。

伊藤:私は方向音痴なので、どこかに行くときは地図と方位磁石が融合したアプリが必須なので移動中はスマホを握りしめてます。その点では、スマホがないと地球上で迷子になっちゃう(笑)。それ以外の時間だと、スマホはあまり触らずに本ばっかり読んでますね。

――新井さんと伊藤さんはどんなジャンルの本を読んでいるんですか?

新井:私は小説が好きで、本屋大賞とか話題になった本を読んでます。

伊藤:もっぱらミステリーしか読まないですね。東野圭吾さんとか湊かなえさん。

八木:私も自分が載ってる雑誌とかは読みます!(笑)

――今回参加されているOGの方は女優、コメンテーター、アイドルプロデューサー、実業家などジャンルの違うセカンドキャリアを歩んでいて、現役メンバーとしてどんな刺激を得ましたか。

新井:加入前から前田敦子さんに憧れていて、AKB48をセンターとして引っ張っていたなか、早い段階で卒業を決めて自分の道に進まれて。そういう部分がすごくかっこいいなと思いますよね。その決断はなかなかできないじゃないですか。自分で未来を切り開いている姿を尊敬しますし、こうして20周年のときにグループに戻ってきて盛り上げてくださるところも素敵だなと思ってます。

――そういう話はご本人に?

新井:できてないです。最初にOGの方が何名か参加するっていうのは聞いてたんですけど、まさか前田さんが参加してくださるとは思ってもなかったので、一緒に居れるだけで幸せを感じるというか。

――勉強するには絶好の機会ですね。

新井:めちゃくちゃ見て盗んでます。前田さんって踊り方とかが違うんですよね。今回のシングル前から前田さんのポジションに入らせてもらうことが多かったので、すごく動画を見て研究していたんですけど、実際に見るとより凄さを感じました。表情だけじゃなくて、目線の残し方など、もっとたくさん見て学びたいです。

――今のAKB48は、昔よりもダンスのパフォーマンス力が一段上がったと言われることも多いです。その中心メンバーでもある八木さんはどう思いますか。

八木:劇場だけじゃなくて、多くのイベントに出演させていただいたりもしてますし、その積み重ねでパフォーマンスに自信を持てるようになってきたのは感じてます。

――先輩たちと自分たちのパフォーマンスを比べて感じることは?

八木:「音楽の日」で先輩方のパフォーマンスを見ていて、その場を楽しむっていう姿勢がすごかったんですよ。私たちのダンスは揃っていて見た目には綺麗に映ると思うんですけど、メンバーの個性が出せていなかった部分もあるのかなと反省するところがありました。その相談をしたらOGの皆さんから、「もう一段階、表情を大きく作ったり、もっと楽しそうにはっちゃけていいんだよ」ってアドバイスをもらったんです。私も加入前はAKB48に夢中になった一人で、全力で楽しんでいる姿が魅力だったと思い返したので、この学びを今後の自分たちの活動に生かしたいです。

――今作はOGも参加して「時間の超越」もしているということで、10年後、20年後の自分たちは想像できますか。

AKB48新世代が語る"OGとの共演"~指原莉乃の差し入れ秘話も~
八木愛月
八木:20年後は結成40周年ですか。今回OGの先輩たちを見て、「本物だー!」ってテンションが上がったので、私たちも未来の後輩たちにそう思ってもらえるように今を一生懸命にやり切りたいですね。そして、卒業してからOGの招集があったときには私も呼ばれたい! そのときに後輩たちと肩を並べてステージに立てるようにしたいので、肩をおっきくしておきたいです。

伊藤:自分がOGとして呼んでもらえたら、10歳、20歳下の子たちと一緒にパフォーマンスするわけですよね。今は想像つかないですけど、私も並んで輝ける人でいたいですし、まずは10年後のAKB48に必要とされる人になるために頑張りたいです!

取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧
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