––––2nd写真集の発売、おめでとうございます。今回はどんなコンセプトで撮影に臨みましたか?
菅原:前作「シャッターチャンス」から1年ちょっとで、2作目の写真集が出せてありがたいです。1stはアイドルとして等身大の自分がたくさん写っていると思うのですが、今回のテーマは卒業旅行でもあるので、ちょっと大人っぽく、背伸びをした自分がたくさん写ってます。1stが明るくてフレッシュな『ザ・アイドル写真集』という雰囲気なら、2ndは色味もちょっとトーンが暗くて、表情もアンニュイな感じに仕上がってると思います。
––––2作目ということでロケ地も悩まれたと思うのですが、どうして台湾だったのでしょうか?
菅原:今作の撮影時期は4月だったんですけど、水辺とかで撮影するにはまだちょっと肌寒いじゃないですか。なので西日本や九州周辺で最初は探していたんですけど、カメラマンさんが「そうだ、台湾行こう!」と意見をしてくました。海外に行くっていう発想がなかったので、せっかくの機会だし行ってみようと思って(日本を)飛び出しました!
––––前作は沖縄と地元の仙台でしたし、雰囲気をガラリと変える意味でもいい選択でしたね!
菅原:内心を話しちゃうと、本当に2nd写真集を出せるのかどうかが気がかりだったので、ロケ地が決まって、撮影することになってホッとしました。
––––実際に撮影が決まり、せっかくの台湾ロケですし、ここに行きたいとかリクエストは出しましたか?
菅原:特定の場所というよりかは、お花畑で撮りたかったので候補地に入れてもらったのですが、ロケの日程のほとんどが雨で、撮影予定のお花畑に着いたら一面の霧で真っ白。何にも見えないということで、急遽森の中での撮影に変更したんです。

菅原:よくぞ気づかれました! 実は白いワンピースを着てオマージュした滝の写真もあるんですよ。でも、この滝も急遽見つけた場所なんです。もともと行く予定だったところが土砂崩れで行くことができなくなってしまって、なんとか見つけたのがここだったんです。鍋ヶ滝にそっくりなところがあったのに行けなくて残念ですけど、MVと同じハーフアップの髪型で撮影していただけたのが嬉しかったです。
––––水にそのまま浸かってますけど4月ですよね!? 相当寒かったのでは?
菅原:寒かったですね。でも寒さよりも、滑って落ちたらどうしようという緊張感の方が勝っていて、神秘的だけど現場はものすごい緊張感だったことが裏話で伝わってほしい!

菅原:メリーゴーランドの近くで着ている緑のチュールの付いたドレスですね。あらかじめスタイリストさんに「緑のドレスが着たいです!」ってリクエストしたらぴったりのものを用意していただきました。やっぱり菅原はサイリウムカラーが緑色だし、ファンの方は色の印象も強いかなと思って。あとはカルバン・クラインのアンダーウエアを着ているページもあって、これは以前、雑誌のグラビアをスポブラで撮影した写真がファンの方たちから好評だったので取り入れてみました。
––––ページの最後はSKE48劇場でのシーンですね。この白いドレスはもしかして卒業ドレス?
菅原:そうです。写真集でもう着ちゃってます(笑)。言われないと気がつかないかもですけど。卒業ドレスって卒業公演で初めてお披露目するものじゃないですか。せっかく衣装さんに作っていただいたのに、見せられる機会がそこだけってもったいないなとずっと思っていて、何かの形で残せたらいいなと思って写真集に収録させてもらいました。普段よりもドレスを作っていただくタイミングが早かったんですけど嬉しかったです。
––––ちゃんと最後まで1ページずつ読んで欲しいという思いがすごく伝わります。
菅原:直筆のメッセージもありますからね。ちゃんと読んでほしい。ちなみにマイクの写真もあると思うのですが、これはSKE48劇場で菅原がずっと使わせていただいているマイクなんです。

菅原:はい! 写真集のサイズをA4版にサイズアップしていただいたり、触ったときの紙の質感にもこだわってみました。あと、1stでは右綴じだったものを、左綴じにしていただきました。これは1stのときのイベントで写真集にサインを書かせていただいたんですけど、右綴じだとちょっと書きにくくて(笑)。
––––えっ、そのための変更!?
菅原:そうなんです(笑)

菅原:SKE48劇場で衣装と一緒に撮らせてもらったんですけど、その中に含ませていただきました。載せてもらえて嬉しいですね。
––––でも、あんなに「二度とやらない!」と豪語していたのに、もう一度ステージに一人で立とうと決意したきっかけはなんだったんでしょうか?
菅原:3年ぐらい前に劇場でソロ公演をやらせていただいたときは、4曲しか歌わず「もうやらない!」と心に決めていたんですけど、その後もファンの方から、「ソロライブを見たい!」という声をたくさんいただいてました。アイドルにとってこんなに嬉しいことはないじゃないですか? この10年間、ファンのみなさんにたくさん菅原のお願いや夢をいっぱい叶えてもらったから、あとちょっとの時間だけどみなさんのお願いも叶えたいと思ったのも理由です。本音を言うと菅原はみんなで歌うのが好きなので、リハーサルで一人で歌うのはやっぱり寂しくて……。

菅原:もうないです。全部やり切りました! 8月はツアーも仙台と熊本を回らせていただきますし、通常の劇場公演もあります。ありがたいことに熊崎晴香さんと「くまーやん」特別公演も実施させていただけることになりました。全部が“SKE48の菅原茉椰”の活動で、その肩書きがあるのも8月末まで。一つひとつのお仕事を悔いなくできたらいいなって思ってます。
––––あっ、ちなみに卒業後のことについては……?
菅原:卒業公演で発表するので今はまだNGです(笑)

「お仕事で海外に行くのは約5年ぶりでした。いろんな衣装を着させてもらった中で、お気に入りは通常版の表紙で着てる衣装です。レトロな雰囲気の中で、普段着ないイメージの服なので、このシーンのカットは全部お気に入りです!」
<取材・文・撮影/安藤龍之介>