カジキです!! インテリアのブログとYouTubeを運営しています。暮らし、住まいの世界を長年見てきた経験を元に、インテリアの法則と、インテリア好きが頭のなかで考えていることをご紹介していきたいと思います。

「IKEAのディスプレイケース」がめちゃめちゃ開けにくい。で...の画像はこちら >>
活きのいい家具が入りました。とても面白い商品なので、ちょっと詳しくお話してもよろしいでしょうか? 話しますね。

本日ご紹介いたしますのはこちら、IKEAストックホルムコレクションの「ディスプレイケース」でございます。ようするに飾り棚ですね。ワイン片手に眺めたい物だったり、来客に見せびらかしたい物だったり、そういうお品を飾っておくための棚です。アクタスで買ったおしゃれなオブジェでもいいし、ガンプラでも美少女フィギュアでも何でも構いません。飾りたい物全般をディスプレイするための棚になります。

コレクションを引き立てたいなら、立派そうなケースを手に入れるのがとても効果的です。コレクションそのものを増やすのも楽しいですが、手持ちのコレクションをより輝かせるための家具に投資してみるのも一興です。

IKEAの中でも特別なシリーズの商品です

「IKEAのディスプレイケース」がめちゃめちゃ開けにくい。でも、名品だと思うわけ
写真は公式HPより
そもそもIKEAストックホルムコレクションとはなんのことでしょうか? 実はIKEAでは、モダン家具だったりクラシック家具だったり、インテリアのスタイル別にシリーズ商品を管理しています。その中でも、とくに北欧らしさを強調した高級ラインとして特別に作られたのがストックホルムコレクションです。

ストックホルムというのは北欧スウェーデンの首都ですね。実はもともと、創業当初のIKEAは北欧企業としてのアピールをしていませんでした。
昔のIKEA家具は、今と違ってアントワネット、ミラノ、テキサスのような、ぜんぜん北欧じゃない商品名を採用していました。そこから徐々に路線変更をしていって、1985年に企業戦略の一環として「北欧の良いイメージ」を印象付けるためにスタートしたのがストックホルムコレクションなんです。

ようするにIKEAのなかでもっとも北欧らしいシリーズですね。今回はディスプレイケースをピックアップしましたが、ほかのアイテムも粒ぞろいのラインナップになっています。

おしゃれな北欧デザインだけど欠点もある?

「IKEAのディスプレイケース」がめちゃめちゃ開けにくい。でも、名品だと思うわけ
写真は公式HPより
さてこちらのディスプレイケース、見た目のポイントとしてはまさに北欧デザインのお手本そのものです。北欧家具の特徴のことをスカンディナヴィア・ハーモニーというのですが、まともに解説するとこれだけで半年かかってしまうので今回は割愛します。簡単に言えば、モダン要素とナチュラル要素の融合こそが、北欧らしさの神髄です。

シンプルで余計な装飾がなく、だけど自然な素材を使っているので暖かみはあるデザイン。こんなもん、日本の一般家庭ならだいたい合います。誤解を恐れずに言うなら、無印良品と同じ使い方でイケるやつです。とても良きお品です。

ただしこの棚、実物をさわってみると一つ大きな問題にぶち当たると思います。……ガラス扉がめっちゃ開けにくい!! 開閉するための取っ手が付いておらず、ガラス自体に薄く掘り込みがあるだけなのです。
そこに指先を引っかけて、つりそうになりながら開けるしかない。

家具に慣れていない人であれば、この不便さに気付いた瞬間歯をむき出しにして木の枝を揺らすなどの激しい威嚇行動をとることでしょう。ですがどうか落ち着いて。これは決して欠点ではないのです。

IKEAのディスプレイ棚が開けにくい本当の理由

「IKEAのディスプレイケース」がめちゃめちゃ開けにくい。でも、名品だと思うわけ
写真は公式HPより
「頻度」を意識するのはインテリアの基本です。よく使う道具は出しておく、出しておくからオシャレな物を買う。めったに使わない道具は片づけておく、片づけておくから見た目は気にしなくて構わない。

ではディスプレイケースはどうでしょう? 人によるとは思いますが、一般的にはディスプレイってそうそうしょっちゅう配置変更しないものだと思います。

ガラスの掘り込みは確かに開けにくいですが、おおげさな取っ手があるとコレクションを眺めるノイズになりかねません。どうせめったに開けないのなら、年に数回しかない「開けやすさ」よりも「普段の見栄え」を優先した方がトータルの満足度が高いという考え方もできるわけです。

開けにくいから必ずしも失敗作なのではなく、自分は何を優先するのかを考えることが大切です。もちろんしょっちゅうディスプレイを配置換えしたい人は開けやすさ優先でいいのですが、なんにせよ、きちんと自己分析をした上で選びましょう。


IKEAの中でも特に北欧らしいデザイン。開けにくいけどコレクションの邪魔をしない掘り込みガラス。全人類が気に入るとは決して言えませんが、良くも悪くもコンセプトが明確な商品です。相性のいい方には最高にハマるアイテムだと思いますよ。

【カジキ】
暮らし、住まいの世界を長年見てきた経験を元に、インテリアの法則を各コンテンツで言語化して発信中。YouTube「ゆっくりインテリア」、ブログ「様子のおかしいインテリア店」、Xアカウント@kajikissa
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