こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
筆者はLINE公式サービスにて計1万件以上のチャット恋愛相談を受けてきました。
2020年国勢調査によれば、日本人の「生涯未婚率」(50歳時の未婚割合)は年々上昇しており、女性は17.8%、男性に至っては28.3%にも及びます。そんななかで、恋愛がうまくいかないという方々にも筆者の知見が少しでも役に立てばなによりです。
真剣な気持ちは信じてあげるのが当然?
読者のみなさんの多くは、「恋人が真剣な気持ちをぶつけてきてくれたなら、その真剣さを信じてあげるべきだ」と考えていないでしょうか?ですが、どんなに相手が真剣でも疑ったほうがいいシチュエーションは、けっこうあるのです。
今回はとある問題を抱える彼女について悩んでいるという和樹さん(仮名・男性・32歳)の相談をもとに、恋愛における“真剣さ”について解説していきます。
半年から1年ごとに浮気を繰り返す彼女
和樹さんは3年前にマッチングアプリで知り合った同い年の彼女と同棲中。ただ、付き合い始めた当初は結婚を前提に考えていたそうですが、彼女が何度も起こすトラブルが原因で、結婚を躊躇しているそう。「付き合って以来、彼女はいろいろな男と浮気をしていて、これまでに3度も発覚しているんです。
他に気になる男ができるとあからさまに怪しい行動が増えるんで、すぐに気付くんですよ。『友達と飲んで来る』と言って朝帰りする日が増えたり、いつもはリビングに適当に置いてるスマホをトイレやお風呂に持っていったり。
それで浮気の証拠を掴んで追求すると、『ごめんなさい、もう二度とこんなことしないから許して。和樹のことが好きだからもう絶対に浮気しない』って、めちゃくちゃ号泣しながら謝ってくるんです。
ぽろぽろ流す涙は本物だから演技しているようには見えないし、真剣に謝罪して本当に後悔しているように見えるから、つい許しちゃうんですよ。でも半年とか1年ぐらいすると、また浮気――っていう繰り返しで(苦笑)」(和樹さん)
目の前で恋人から真剣に謝罪されたら?
和樹さんの話を聞いた読者の大半は、「なんでそんな口だけの謝罪に何度も騙されるんだ!?どうせまた浮気するんだからさっさと別れたほうがいい!」と、考えていることでしょう。和樹さんもそんなことは百も承知なのですが、「真剣に謝ってくれているのを見ると、その気持ちを信じてあげたくなる」(和樹さん)とのこと。
たしかに、他人の話を聞くのと当事者として体験するのとでは大違いで、目の前で好きな人から真剣に謝罪されるというシチュエーションで、情が沸いて来て許してしまうという人は少なくないはず。
この問題で重要なポイントになってくるのが“真剣さ”です。
どうして口先だけの謝罪を信じてしまうんだと考えている人は、彼女が演技をしていて騙そうとしていると思っているのではないでしょうか?
しかし、和樹さんからの話を詳細に聞くかぎり、そのときの彼女はどう考えても真剣に謝罪しており、本気で「もう絶対に浮気しない」と誓っているようなのです。
彼女は“真剣さ”の持続力が短かった
結論を言うと、その彼女は“真剣さ”の持続力が短いのです。浮気がバレてしまったときは、本気で後悔をして、真剣に謝罪をする。けれど、半年ほどするとその“真剣さ”の持続力が切れて、本音がコロッと変わり、また裏切ってしまう。
これが和樹さんの彼女の“性質”。
謝罪をする彼女に“真剣さ”が見えず、またそのうち浮気しようという本心を隠して、泣きの演技で騙そうとしているだけであれば、和樹さんも簡単には信じないはず。
ですが、彼女はその瞬間は、真剣に、本音で謝罪しているのです。
序盤で「恋人が真剣な気持ちをぶつけてきてくれたなら、その真剣さを信じてあげるべきだ」という考えではないかと問いかけましたが、そのポリシーだとこのタイプの彼女に何度も浮気されることになってしまいます。
目の前の“真剣さ”だけで判断すると…
要するに“真剣さ”というものは、目の前にいる人物の熱量だけを見て判断してしまうと、痛い目に遭う可能性があるということ。その瞬間の熱量の高い・低いだけでジャッジするのではなく、熱量の持続力は長いのか短いのかという部分もしっかり注視する必要があるのです。
いくら目の前の女性がとても真剣で、本気で語り、本心を見せてくれているとしても、その本音自体がコロッと変わってしまうというケースが、意外とあるというわけです。
<文/堺屋大地>
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【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は@SakaiyaDaichi