―[メンズファッションバイヤーMB]―

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。
連載第546回をよろしくお願いします。
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 今回はファッションの基本ルールのお話。ジャケットやコートの「しつけ糸」、指摘されたことある人も多いんじゃないでしょうか……? 今回は守ってないと少々恥ずかしい! ファッションルールのお話です。

ルール①「ジャケットの一番下のボタンは開ける」

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スーツ
 案外、守れていない人も多いこのルール。特に新入社員はスーツの着こなしに慣れていないため、この間違いが多い。

 ボタンを外して着る方がマナー違反なようにも思えますが、そういえば周りを見渡してみるとほとんどの大人がジャケット一番下のボタンを開けていることに気がつくかと思います。実はこれ実際ボタンを留めて着続けているとどこかで気がつくと思うのですが……下まで留めて着用するとシワが溜まりやすいのです。

 もちろんジャケットの着丈や身幅などによって一部例外も存在するのですが、基本スーツジャケットにおいてはこれNGです。歩行時に足を動かしたり、しゃがんだり、屈伸したりする際に一番下のボタンを留めておくと生地にテンションがかかり、シワがつきやすい。スーツはシワを嫌う文化です。

 そのためにオーダースーツがあり、体ぴったりに採寸して、シワが出ないように作るのです。ですから、シワができるような着こなしはNGであり、マナー違反。然して一番下のボタンは開けておくのが基本です。


 上述の通り、これは実用的な意味において推奨されることでもあるのですが、どちらかというと「下まで留めていると服に疎い人だと思われる」ことが懸念されます。注意しましょう。

ルール②「ファブリックタグ、しつけ糸は切る」

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ファブリックタグ
 コートやスーツの袖先につけられたタグ。こちらをつけっぱなしに着ている人は案外多いです。冬の電車の中などではよく見かけます。吊り革に捕まる手にファブリックタグが付いている人は珍しくありません。

 しかし、ながらこのタグ、本来は切るのが普通です。ファブリックタグは良質生地メーカーのものを採用している証、「こんなにいい生地のジャケットですよコートですよ」と店頭接客時に活用するものです。切りやすいように四隅を糸で簡易的に留めておくのが普通で、購入後はハサミなどで簡単に取れるはずです。

 それにしてもなぜ袖先などという目立つ位置にわざわざタグをつけるのか……?

 それはスーツ屋さんの店内装飾を思い返してみればわかります。スーツ屋さんではハンガーにずらりとかかっているジャケットを見て選ぶことになりますが、カジュアルウェアと異なり、スーツはデザインがすべて同じですので、ハンガーにかけてある状態では優劣がわかりません。

 そこで目立つ袖先に差別化要素である「素材表記」をつけておくことで、「パッと手に取ってもらう」意図があるのです。

 もちろんこうしたタグをデザインとして付けているコートなども存在します。
見分け方は「タグが簡単に取れるようになってるかどうか」です。四隅のみを留めてあるなどであれば取るべきですし、ガッツリ全体をミシン留めしている場合はデザインであることが多いでしょう。

ルール③「ジャケットは座る時ボタンを開ける」

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ジャケット
 ジャケットを開けたり閉じたり忙しいようにも感じるかもしれませんが、ぜひやってみてください。

 ジャケットは座っているときにボタンを留めておくと……シワが定着しやすいのです。上述の通り、シワはスーツの大敵。ビジネス上のマナーでは「着席時はボタンを取り、起立時はボタンを留める」もの。

 これは実用面において「シワをつけない」意図があるのです。

ルール④「ジャケット保存時はボタンを外す」

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ジャケット
 またまたジャケットのルールですが、こちらも案外知られていない。ジャケットをお家で保管する際、ハンガーにかける人が当然多いかと思いますが……このとき必ずボタンを外しておいてください。

 几帳面な人はボタンを留めて管理しているかもしれませんが、それ逆効果です。ジャケットは……特にスーツに使われるものは立体的な作りになっています。着用したときに体にフィットするように。Tシャツやカットソーなど平面的ですが、スーツジャケットはシワがつかないように体の膨らみを考慮して余白を作っています。

 ですからボタンを留めてしまうと、体を考慮した分だけ歪な形になってしまい、シワとして定着してしまうのです。
高級スーツ店などで「なんだこのお店は全部ボタンが外れててだらしないなあ」と思った人もいるかもしれませんが、実はスーツジャケットはボタンを外して保管するのが基本。

 お家で保管する際も必ずボタンは外してくださいね。型崩れを起こしてしまいますよ。

ルール⑤「メガネは伊達だったとしても購入後必ずレンズ交換を行う」

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メガネ
 度入りではなくファッションとしての伊達メガネを好む人も昨今増えていますが……「伊達メガネだからレンズ交換の必要がない」と思ったら大間違い! 伊達メガネであっても必ずレンズ交換が必要です。

 すでに透明のレンズが入ってるのに、「いったい何と交換しろというのか……?」と思った人も多いでしょう。実は店頭販売時についているレンズはほぼすべて「デモレンズ」と呼ばれるものです。UVカットが施されておらず、さらに防傷コーティングもしていないので、あっというまに白っぽく汚れ傷がついていきます。もちろんUVカットがなければ目にも悪いです。

 さらにデモレンズは光を反射しやすく、目の印象が伝わりにくい。そのため、メガネ本来の美しさも損なってしまっているのです(光の反射は結構印象を変えてしまうので要注意)。また、レンズにロゴが入ってるものなどもあります。

 デモレンズは知ってる人からすると一発でわかります。数千円で交換できるので必ずレンズ交換を行いましょう。
きちんと反射しにくいUV加工されているレンズだと見栄えがまるで違います。お忘れなく。

ルール⑥「シャツ購入時の折じわはアイロンで取る」

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シャツ
 シャツは購入時にプラスチックのパーツや紙の付属品など大量についてきますが、これらはシャツを型崩れさせないためのもの。

 ただ、その分、折りシワができてしまうので購入したら、必ず一度洗うか、スチームアイロンなどできれいに取るようにしましょう。

 折りシワがついたままシャツを着ている人……たまに見かけますがあまりきれいなものではありません。せっかく買ったシャツが美しく見えるように注意しましょう。

ルール⑦「チェーンブレスは余裕を持ってつける」

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チェーンブレス
 こちらはシルバーアクセサリーの話。チェーンブレスを手首の腕周りピッチリで付けている人をたまに見かけますが、これシルバーに疎い人だとバレてしまいます。

 基本チェーンブレスはその「チャラっ」と言う音が聞こえるくらい、少しルーズに余裕を持ってつけるのがオシャレ。ピッタシ手首にフィットさせると気合いを入れて準備したようなダサさを感じさせます。

 シルバーアクセサリー好きなら少し手首から垂れるくらいのサイズを選ぶのが普通。ぜひお忘れなく。以上、知らないと恥ずかしいよ! 誰も教えてくれないファッションルール7選でした

―[メンズファッションバイヤーMB]―

【MB】
ファッションバイヤー。
最新刊『ロードマップ』のほか、『MBの偏愛ブランド図鑑』『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag)
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