―[ゼロ恋愛 ~経験値ゼロから学ぶ恋愛講座~/堺屋大地]―

 こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
 筆者はLINE公式サービスにて計1万件以上のチャット恋愛相談を受けてきました。
また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがい、知見を深めているのです。

 2020年国勢調査によれば、日本人の「生涯未婚率」(50歳時の未婚割合)は年々上昇しており、女性は17.8%、男性に至っては28.3%にも及びます。そんななかで、恋愛がうまくいかないという方々にも筆者の知見が少しでも役に立てばなによりです。

38歳既婚男性の「不倫がバレた」意外な経路。「愛妻家で良きパ...の画像はこちら >>

アラサーの女性部下と4年間も不倫関係

 今回のお話は「不倫」が社会通念上、倫理に反する誤った行為であり、家族を傷つけ苦しめる行為であることを大前提としてお聞きください。

 筆者のもとには不倫についての相談も少なくありませんが、自己責任だという覚悟をもって行っている場合は、咎めることはせず、お話をじっくり伺うようにしています。

 さて、妻子ある身の貴司さん(仮名・男性・38歳)からの相談は、部下で独身の沙羅さん(仮名・女性・29歳)と4年前から続いている不倫関係について。

 既婚者でありながら上司という立場を利用して沙羅さんを強引に飲みに誘って口説き続け、不倫交際にこぎつけたそうです。

不倫バレ防止対策には自信があったが…

 しかし、その不倫が最近になって妻にバレてしまったというお悩みでした。

「なぜバレてしまったのか、いまだにわからない。妻はなんらかの確固たる証拠を掴んでいるようなんですが、それがなにかをあえて秘密にして教えてくれないまま、問い詰められたんです。

 自分で言うのもなんですが、家では“愛妻家”で“良きパパ”をできていたと思います。それに不倫相手の沙羅とお泊りして朝帰りしたり、土日にデートしたりするようなリスクの高いことはしていません。夜中にこそこそ電話やLINEをするなんてこともしていませんでした。

 スマホのメッセージのやりとりは毎日しっかり消して痕跡を残してないし、そもそも妻に勝手にスマホを見られた形跡もないんです」(貴司さん)

もしや不倫相手が妻にバラした!?

 貴司さんは「なぜバレたのか?」と、原因がわからないことをとても不安がっていましたので、筆者は次のように分析・予想をお伝えしていきました。

 まず貴司さんは“視野”がとても狭くなっているのではないでしょうか。
自分の家庭内での言動やスマホのセキュリティばかりに気を取られていて、状況を俯瞰した視点が欠けていると感じました。

 おそらく奥様は、貴司さんの日々の振る舞いから怪しいと疑い始めたわけではないし、貴司さんのスマホから証拠を入手したわけでもありません。ですから第三者が奥様と連絡を取って情報提供した可能性が考えられます。

 ここまで説明すると貴司さんは、「もしや沙羅が妻にバラした!?」と彼女を疑いました。しかし、あくまで予想であると前置きしたうえで、筆者は奥様に密告したのは沙羅さん本人ではないけれど、沙羅さんはなにかしらの事情を知っている可能性が高いということを伝えたのです。

妻に密告したのは予想外の意外な人物

 ――後日、再び貴司さんが相談に訪れ、「妻にバレた原因がわかりました。犯人は沙羅の女友達でした」と報告してくれました。

 貴司さんは、沙羅さんが秘密をべらべらと友達に話していた危機意識の低さや、その話を友達が沙羅さんにも無許可で勝手に妻に暴露していたことに憤っているのです。

 けれど筆者は、貴司さんをたしなめる意味で、バレてしまった原因は貴司さん自身にあるということを指摘しました。

 貴司さんの最大の“罪”は、20代中盤から30代目前という沙羅さんにとって非常に大切な人生の時間を、不倫で奪ってしまったこと。

 沙羅さんは貴司さんを好きな気持ちがある一方で、“未来”がない恋愛に今後も人生の時間を費やしていくことにとてつもなく大きな不安を抱え、精神的にかなり疲弊していたのでしょう。その巨大な不安に押しつぶされないように、親友に話を聞いてもらっていたことは想像に難くありません。

 そして親友は、不倫というあまりにも不毛な恋愛に心をすり減らしている沙羅さんを見かねて、彼女を救済する意味で奥様の連絡先を調べて密告したのでしょう。


ゲス男が犯していた最大の“罪”とは?

 要するに、奥様に直接暴露したのは沙羅さんの女友達だったかもしれませんが、バレてしまった根幹の原因は、“貴司さんが20代女性の人生の時間を奪い続けていたこと”なのではないでしょうか。

 貴司さんは、沙羅さんや親友に怒りをぶつけようとしていたのが間違いだったこと、不倫がバレてしまった原因は自分にあったこと――つまり自己責任だったことを痛感したようでした。

 貴司さんから強引に口説かれていたとはいえ、沙羅さんも被害者ではなく、奥様視点で見れば立派な共犯者です。ただ、奥様は夫である貴司さんの女グセの悪さを知っていたからでしょうか、沙羅さんを訴えるようなことは考えていないということでした。

 沙羅さんが不倫沼にハマッていたことをきちんと悔いて、幸せな未来に進めることを願っています。

<文/堺屋大地>

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【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は@SakaiyaDaichi
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