デビュー当時からタンクトップ姿に筋肉がトレードマークだった坂本氏が、デビューから30年あまりが経った現在はさらにビルドアップされた肉体になっており、その激変した姿がネットニュースに取り上げられることもしばしばだ。
千葉県の八千代台で坂本氏が経営する「坂本一生SISパーソナルトレーニングジム」を訪問し、「新加勢大周」騒動当時のことや、そして現在の様子を聞いた。
「新加勢大周」という芸名を知らされていなかった

坂本一生(以下、坂本):特に何も思ってなかったんです(笑)。スカウトされて入った事務所から「お前の芸名は新加勢大周だ」って言われて、僕も芸能界のことは何も知らないし、そんなものなのかなって思ってました。
僕が事務所に入ったときにはすでに加勢大周さん自身は事務所を退所していましたが、「加勢大周」という芸名を社長が気に入っていたようで、「芸名の権利は事務所だ」という考えで「新」だけ付けたようです。
そもそも、スカウト直前までオーストラリアに留学していたので、加勢さんのことを知らなかったんですよ。それもあって、デビュー後になんでみんなそんなに騒いでるんだろうって不思議に感じてました。
ーー坂本さん本人が騒動の大きさを感じたのはどのタイミングだったんですか?
坂本:事務所の社長に、当時まだご存命だった森繁久彌さんが「さすがにほぼ同じ芸名はよくない」と苦言を呈していると聞いて、やっとややこしいことになってるんだなって気づきました。芸能界のことは何も知りませんでしたが、さすがに大ベテランの森繁久彌さんの名前は知ってましたから(笑)。
騒動を経て有名人に「芸がなく結果を残せなかった」

坂本:騒動のおかげで、知名度は一気につきました。経緯はどうあれ、デビュー直後の新人をこれだけ覚えてもらえたのはラッキーでしたね。ただ芸が特になかったので、番組にはたくさん呼ばれるんですが結果を残せなかったのが残念でした。
ーー騒動の悪影響はありましたか?
坂本:紹介される名前が長くなっちゃったのが弊害かもしれません。
スポーツ系の番組でよく共演した、たけし軍団の方からは「お前の名前が長いせいで俺たちの名前が新聞に出ないんだよ!」ってしょっちゅうツッコまれてましたし、新人なのにテレビ欄とかで文字数をいっぱい使うのが申し訳なかったです(笑)。
一夜を共にした人数は1000人越え!?

坂本:自分で言うのも変ですがそこそこ人気があったのでモテましたし、僕も遊びたい盛りだったので六本木や歌舞伎町、横浜で毎晩のようにナンパ三昧。見る女性全員に声を掛けるくらいの勢いでした。
ーー経験人数がかなり多いという話も聞きます。
坂本:一夜を共にした人数は1000人近いと思います。50人くらいまでは手帳にどんな女性だったか書いてたんですけど、途中から「キリがない」と思ってやめました(笑)。
ちなみに一晩で8回、行為に及んだこともあります(笑)。相手の女性からは『寝させてくれよ』ってうんざりされてたと思いますけど、若かったなぁ。
ーーさすがに現在は欲求は落ち着きましたか?
坂本:今はもうさすがに落ち着きました。20代の頃から40代半ばくらいまで遊んでましたが、最近は年齢的なものと、トレーニングに打ち込むことで性欲はやっと控えめになりましたね。

坂本:中古車販売、ホスト、鳶職、飲食店、トラック運転手……どれもあまり長続きしなかったので、本当に転々としてました。

坂本:クイズ番組『Qさま!!』がまだバラエティ企画をやっていた頃、番組の1コーナーで潜水対決みたいな企画があったんです。それで声をかけてもらって、もともと水泳をやっていたのもあってオーディションを通過しました。
番組に出演が決まって、練習を頑張ってたらどんどん記録も伸び、準レギュラー的に出演するようになっていました。そこで安田大サーカスの団長安田さんと仲良くなり、団長のお誘いで松竹芸能に入ったことで本格的に芸能界に復帰しました。
ーー復帰後はどんなお仕事が多いんですか?
坂本:もともとスポーツタレントだったので、スポーツ系をメインに、バラエティ番組にちょこちょこ出ていました。Vシネマで演技の仕事もやりましたが、我ながら芝居は下手くそなんでいまはないです(笑)。
アルバイトを経て見つけた「進むべき道」

坂本:運動は昔から好きだったし、ジム通いも続けていたので『じゃあ自分でやろう』と始めました。開業して8年、ありがたいことにコロナ禍も乗り越えてなんとか黒字でやれてます。アルバイトを転々とした時期も長かったんで、なんでもっと早くやらなかったんだろうって今になって思います(笑)
ーー現在54歳、今後の目標はありますか?
坂本:シルベスター・スタローンみたいなかっこいいおじいちゃんになるのが目標です。そのためにもトレーニングは続けたい。
現在は94キロですが、ベンチプレスなどのウェイトを上げるために目標としていた体重も100キロを超えられましたし、これからは無理のないペースで続けられたらと思っています。
それと関連しますけど、ジムも僕が70歳になるくらいまでは続けたいと思っています。トレーニングは適切に行えば、年齢に関係なく効果があるので、高齢の方向けにもしっかり指導したいなと考えています。
ーー芸能活動も続けていくんでしょうか?
坂本:先日はクイズ番組「クイズ!脳ベルSHOW」(BSフジ)にも出演しました。ジム経営で生活はできているので、芸能の仕事もお呼びがかかる限りは続けたいと思っています。
最近は今回みたいな「あの人は今?」みたいな企画で取材を受けることが多いけど、それでも注目してくれるのはありがたいじゃないですか。たまに「まだ消えてない」って怒る人がいるようですけど、芸能人なんで声をかけてもらえるだけで嬉しいですよ(笑)。
数奇なデビューを経て、現在は芸能活動と並行してトレーニングに打ち込み、指導も行う坂本一生氏。「ムキムキのおじいちゃんが実はあのスポーツタレントだった!?」とニュースの見出しを飾るのは、そう遠くない未来かもしれない。
【松嶋三郎】
浅く広くがモットーのフリーライター。紙・web問わず、ジャンルも問わず、記事のためならインタビュー・潜入・執筆・写真撮影・撮影モデル役など、できることは何でもやるタイプ。