AirPods ProとApple Watchのリニューアルが発表されたほか、メインストリームiPhoneの最新モデル「iPhone 17」と、上位モデル「iPhone 17 Pro」、そして新系列の「iPhone Air」もお披露目となった。
今回は話題の新型iPhoneを中心に、Appleの新製品を見ていきたい。
AirPods Proが同時通訳者に!?
真っ白なワイヤレスイヤホンとして人気の「AirPods」シリーズには、高級機の「AirPods Pro」が存在するが、19日に発売される最新モデル「AirPods Pro 3」では新たに「ライブ翻訳」機能を搭載する。これは、異なる言語の相手と会話しているとき、自動的に自分の得意な言語に翻訳してくれるというSF的なものだ。現時点では英語・フランス語・ドイツ語・ポルトガル語・スペイン語に対応しているが、日本語への対応は年末の予定だというから、お手並み拝見はしばらくお預け。とはいえ、機械を通して外国人とリアルタイムに会話できるのは、素直に楽しみである。

毎日充電が必要なことに変わりはないが、腕時計のあるべき姿に、少しずつ近づいているように思える。
薄型とはいえ持ちにくい……

「iPhone 17」シリーズより、標準モデルのストレージ容量が256GBとなった。この点では、今年のiPhone 17は“買い時”にあたる世代だといえる(参考リンク:「64GBのiPhone」を現役で使い続けるための“ストレージ容量節約術”。月数百円払わなくてもサクサク動く)。

Appleはこれを“史上最も薄いiPhone”と謳っており、昔懐かしい「iPod touch」(筐体の厚さは世代により6~7mm)と比べても薄く出来ていて、大したものだ。ただし、iPhone Airが“持ちやすいiPhone”なのかというと、そうとは言えない。横幅が74.7mmもあって、片手でホールドしたまますべての操作を行えるサイズではないのだ。
横幅67.3mmの「iPhone SE」や、横幅64.2mmの「iPhone mini」は、片手操作が可能なことから、日本での人気が高かった。しかし前者は2022年発売の第3世代、後者は2021年のiPhone 13 miniを最後に、ニューモデルが投入されていない。これは円安と並んで、iPhoneの買い替えを躊躇する理由のひとつになっている。
人間の手は大きくならない
かつてのスマートフォンは、片手でも操作できるように設計されていた。Retinaディスプレイで人気が沸騰したiPhone 4(2010年)は、横幅58.6mmで持ちやすく、仕事の合間に「なめこ」を抜くのも爽快だった。iPhone 5(2012年)では画面が縦長になり、タッチパネルの一番上に親指が届きにくくなったが、それでも大きな支障はなかった。

その後もiPhoneは巨大化を進め、現行モデルにおける最小サイズは横幅71.5mmだ。対して、人間の手は大きくならないから、何か特別な工夫をする必要が生じる。そういうわけで、少なくないiPhoneユーザーがスマホの背面にリングを取り付けて、親指に長い旅をさせているが、その様子はまったくスマートではない。
もっとも、小型にこだわるのは日本ユーザーの特徴で、他国では「スマホは両手で使うもの」と割り切っているようだ。
というのも、日本語には便利なフリック入力があり、片手でも問題なくメッセージを送信できるが、欧米人はQWERTYキーボードを使うため、自然と両手を使うことになるし、タッチパネルが小さいと打ちにくいのだという。
そんな事情と、他にはバッテリー容量の問題によって、日本以外の市場で小型モデルは販売不振となり、ラインナップから姿を消してしまった。まことに残念でならない。
メシかスマホでスマホは選べない
毎度のことながら、一番気になるのは価格である。
アメリカでは、iPhone 16とiPhone 17のデビュー価格がともに799ドルで、お値段据え置きだとわかる。

それでも実際のところ、新型iPhoneの“賢い買い方”はいくつかある。Apple製品の中古価格は高止まりしがちなので、あえて高価なニューモデルを買い、数年使った後で中古品として売るというテクニックは有名だし、キャリアが提供する各種ローンを使うのも手だ。どうしてもiPhone 17やiPhone Airが必要な場合、買い方を工夫してみよう。

<TEXT/ジャンヤー宇都>
【ジャンヤー宇都】
「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 ~オタク過密時代の植生学~』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆