―[ゼロ恋愛 ~経験値ゼロから学ぶ恋愛講座~/堺屋大地]―

 こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
 筆者はLINE公式サービスにて計1万件以上のチャット恋愛相談を受けてきました。
また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがい、知見を深めているのです。

 2020年国勢調査によれば、日本人の「生涯未婚率」(50歳時の未婚割合)は年々上昇しており、女性は17.8%、男性に至っては28.3%にも及びます。そんななかで、恋愛がうまくいかないという方々にも筆者の知見が少しでも役に立てばなによりです。

「PTAで出会った同級生ママと不倫関係になって1年」35歳男...の画像はこちら >>

PTAで知り合った息子の同級生のママ

 今回のお話は「不倫」が社会通念上、倫理に反する誤った行為であり、家族を傷つけ苦しめる行為であることを大前提としてお聞きください。

 筆者のもとには不倫についての相談も少なくありませんが、自己責任だという覚悟をもって行っている場合は、咎めることはせず、お話をじっくり伺うようにしています。

 さて、小学生の子を持つサトルさん(仮名・男性・35歳)のお悩みは、1年前にPTAで知り合った息子の同級生のママとの不倫のご相談でした。

「初めて彼女と関係をもった日、家庭を壊す気はないということはお互いに確認し合っていたので、僕達は割り切った不倫関係なんです。

 お互い気持ちが昂った時は『好きだよ』『きれいだよ』ぐらいのことは言いますが、この秘密の関係を誰にも気づかれないようにするというのは暗黙のルールのはず。でも彼女はなぜか、バレるリスクが高いことを要求してきたり、おねだりしてきたりするんですよ。

 例えば平日の夜や土日もLINEをどんどん送って来て、僕がスルーしているとすごく不機嫌になるんです。

 あとは某有名テーマパークでデートしたいと言い出したこともありました。知り合いに見つかるかもしれないからダメだって断ると、とても悲しそうな顔をして泣き出すんですよね(苦笑)」(サトルさん)

不倫相手のママの夫にバレるリスクが…

「彼女は本気になっちゃったんでしょうか……。このまま関係を続けていたら、離婚してほしいなんて言い出しますかね?」

 と心配するサトルさんに、筆者は次のような分析・予想をお伝えしていきました。

 まず、おそらくお相手のママさんは、いまの生活(家庭)を守りたいというのが前提にある可能性が高いので、離婚を切り出されることはないでしょう。


 とはいえ、不倫関係がサトルさんの妻にバレるリスクや、ママさんの夫にバレるリスクは増してきていると言えます。特にリスクが高いのは後者です。

 サトルさんは妻バレしないようにと細心の注意を払っており、LINEをスルーしたり目立つデートを断ったりしているので、言わばセキュリティ意識を高く持っているのでバレにくい。

 けれど、ママさんは平日夜や土日でも頻繁にLINEを送っているとのこと。ということは、彼女自身はバレないようにしているつもりでも、家庭内でスマホをずっと気にしていたり、トイレやお風呂にスマホを持ち込んだり、夫から見て不審な行動が増えている可能性があるわけです。

 つまり、セキュリティ意識がかなり低下しているかもしれない、ということです。

“割り切り”は何段階かレベルがある

 ではなぜ、割り切った不倫関係のはずなのに、ママさんは家族バレするリスクが高まるような関係性を求めてくるのでしょうか?

 それは、“割り切り”という観念はひとくくりにはできず、離婚はしない前提の“割り切り”のなかでも何段階かのレベルに分かれているからです。

 今回はサトルさんの相談に合わせて、3段階に分けて説明しましょう。

≪レベル1≫恋愛には本気だが離婚をする気はないので、恋と家庭を分けた“割り切り”

≪レベル2≫疑似恋愛的に特定のシチュエーションでは好意を伝え、場を盛り上げることもある“割り切り”

≪レベル3≫恋愛的雰囲気は一切出さず、スポーツのように体の関係だけ楽しむ“割り切り”

 “割り切り”のなかにこの3段階があるとしたら、ママさんはレベル1、サトルさんはレベル2ということです。

実は本人も割り切れていなかった?

 要するにママさんは、サトルさんとの恋に本気になっているものの、お互いの家庭を壊す気はないというのは本心のため、離婚を迫るようなことはしないという“割り切り”。レベルが違うだけで、ママさんはママさんなりにきちんと割り切っているというわけです。

 レベル2のサトルさんからするとレベル1のママさんは、ちゃんと割り切れてないというように見えたのでしょう。

 しかし、本当に1ミリも恋愛的要素を持ち込まないレベル3の人から見れば、イチャイチャしている時だけ「好きだよ」「きれいだよ」なんて囁いているサトルさんも、ちゃんと割り切れていないと思われるかもしれないのです。


 ここまで説明すると、サトルさんは腑に落ちたようで、次のように語っていました。

「たしかに“割り切り”にレベルがあることを知らずに、いっしょくたに考えていました。彼女は彼女なりに割り切っているし、逆に言うと、僕自身はきちんと割り切っているつもりでも、割り切れていないと見られることもあるわけですね……」(サトルさん)

 ――改めてお伝えしますが、不倫が社会通念上、倫理に反する誤った行為というのが大前提。それでも不倫を楽しむのであれば自己責任だということはお忘れなく。

<文/堺屋大地>

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【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は@SakaiyaDaichi
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