毎年9月はディーラー各社で“決算”と銘打っているため、車を買うのに適切なタイミングと言われています。今まで乗っていた愛車と入れ替えで車を買う場合、お店に下取りしてもらうというケースが多いでしょう。
もしかするとその下取りの方法、少し損しているかもしれません。どうすればお得に下取りしてもらえるのか、元ディーラー勤務の筆者(宇野源一)が解説します。
いっぽう買取は、車を引き取ってもらうことに特化しています。古本や古着をお店で買い取ってもらうことの車バージョンと考えてもらうとわかりやすいかもしれません。
下取りと買取の明確な違いは「車を引き渡す時期」で、下取りは新たに買う車の納車と同時が一般的で、買取は契約完了後数日以内というのが通例です。車を引き渡すまでが短期間なので、そのぶん買取の方が査定額が高額になりやすいとも言われています。
下取りは車の将来的な価値が下落するリスクを含んで見積もっているので、買取よりも安くなってしまうことも多くあります。
ただし、後述するように車を購入するための条件面が変わってきてしまう可能性もありますので、担当営業マンに確認するようにしましょう。
商談の過程において発生する可能性があるのが、「下取り車含めてこのお値引きです」となって契約しているパターンです。下取り車の価格と値引き額と合算して見た目上の値引き額を大きくし、お得感を演出する営業マンが一定数います。
そうならないためにも、下取り車の査定額が妥当なものかということを買取業車の査定で判断するのはもちろんですが、営業マンに「この見積書は下取り車を外しても値引き額が変わらないのか?」ということを確認するのが必須となります。
確認して問題ないことがわかったら買取業者に売却の相談をして、新しい車の納車時期の近くに車を売る段取りを組みましょう。
ディーラーで車を売買する場合、中古車販売のノウハウだけでなく修理のノウハウも持ち合わせています。買取業車は修理ノウハウが乏しいところも多いので、修理するコストがディーラーよりも高くなる可能性があるため、買取金額が低くなる傾向があります。
ですので、故障している車や古い車はディーラー下取りを選択した方が買取価格が高くなるでしょう。また数万円のために買取屋を何件も回って査定してもらうのは手間がかかり費用対効果が薄いため、お勧めできません。下取り車がどのような車か客観的にわからない場合はセカンドオピニオン的に複数の業者の話を聞いて判断するのも良いでしょう。
<文/宇野源一>
【宇野源一】
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。
もしかするとその下取りの方法、少し損しているかもしれません。どうすればお得に下取りしてもらえるのか、元ディーラー勤務の筆者(宇野源一)が解説します。
今さら聞けない「下取り」と「買取」の違い
はじめに下取りと買取の違いについて簡単に触れておきましょう。下取りは、新たに買う車と入れ替えでディーラーなど車屋さんに車を引き取ってもらう方法です。その対価として下取り車の価値を新しい車の購入価格から差し引いてもらいます。いっぽう買取は、車を引き取ってもらうことに特化しています。古本や古着をお店で買い取ってもらうことの車バージョンと考えてもらうとわかりやすいかもしれません。
下取りと買取の明確な違いは「車を引き渡す時期」で、下取りは新たに買う車の納車と同時が一般的で、買取は契約完了後数日以内というのが通例です。車を引き渡すまでが短期間なので、そのぶん買取の方が査定額が高額になりやすいとも言われています。
下取りは車の将来的な価値が下落するリスクを含んで見積もっているので、買取よりも安くなってしまうことも多くあります。
ディーラーと契約後でも「下取り先変更」は間に合う
新しい車の納車まである程度時間があるけど、家族の車を使ったり車を使う予定がなかったりする人は少しでも高く車を売りたいと思うかもしれません。ただ、「ディーラーと契約してしまったから下取り先を変えられないのでは?」と思われるかもしれませんが、契約の変更は間に合います。ただし、後述するように車を購入するための条件面が変わってきてしまう可能性もありますので、担当営業マンに確認するようにしましょう。
ディーラー見積もりから下取り車を外す場合の注意点

商談
この場合、下取り車がなくなると値引き条件が大きく変わってしまうことが起こり得ます。
そうならないためにも、下取り車の査定額が妥当なものかということを買取業車の査定で判断するのはもちろんですが、営業マンに「この見積書は下取り車を外しても値引き額が変わらないのか?」ということを確認するのが必須となります。
確認して問題ないことがわかったら買取業者に売却の相談をして、新しい車の納車時期の近くに車を売る段取りを組みましょう。
年式の古い車は下取りの方が有利かも
比較的新しい車や希少車は買取業車を使った方がお得な可能性はありますが、古い車や故障している車は下取ってもらったほうが有利なケースがあります。ディーラーで車を売買する場合、中古車販売のノウハウだけでなく修理のノウハウも持ち合わせています。買取業車は修理ノウハウが乏しいところも多いので、修理するコストがディーラーよりも高くなる可能性があるため、買取金額が低くなる傾向があります。
ですので、故障している車や古い車はディーラー下取りを選択した方が買取価格が高くなるでしょう。また数万円のために買取屋を何件も回って査定してもらうのは手間がかかり費用対効果が薄いため、お勧めできません。下取り車がどのような車か客観的にわからない場合はセカンドオピニオン的に複数の業者の話を聞いて判断するのも良いでしょう。
<文/宇野源一>
【宇野源一】
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。
X(旧Twitter):@gengen801
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