―[ひろゆきの兵法~われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?~]―

就職氷河期世代は人生後半戦をどう生き抜くべきか?「この先どうなるんだろう」と、漠然とした不安を抱えている人は少なくない。そんな不安を解消するために、ひろゆき氏が勧めるのは「考えること」ではなく「動くこと」。
お金、仕事、人間関係の不安を具体的なタスクに変えて、ひとつずつ潰していく方法とは?

不安は、頭の中で考えていても解消されない

「考える暇があるから不安になる」ひろゆきが考える、将来への不...の画像はこちら >>
 氷河期世代に限った話ではないのですが、「なんとなく不安」という人が多い気がします。インフレに追いつかない給与に、職場では窓際、家庭では介護や住宅ローンを抱えている人もいる。そうなると、「この先どうなるんだろう」と漠然と不安にもなります。

 ただ、不安というのは、頭の中で考えていても解消されません。むしろ、何もしないでいると、悪い想像が余計に膨らみます。そういうときは気持ちを整えようとせず、何かしら動くことが大事だと思っています。

 虫が嫌いな人が「部屋に虫が出るかもしれない」と不安になっているだけでは虫が出る確率は下がりません。それなら掃除して、食べ残しや水回りの汚れをなくしたほうが現実的。不安というのは行動をしなければ解決しないので、“不安のもと”を物理的なタスクに変えていくわけです。

 お金の不安なら、いきなり稼ぐのは難しくても支出を下げることはすぐできます。自炊したり固定費を見直すと、結果が数字として出てくるので不安は少し減ります。すると、「自分で状況を動かせている」という感覚が生まれます。ほかに外国語やITスキルを勉強したり、実際にAIを使ってアプリを作ってみてもいい。
成功するかどうかは別として、何かの作業や勉強に集中していれば不安な時間は減ります。

 仕事が不安なら、仕事をするしかありません。仕事が山積みなのに、メンタルハックで気分だけ整えようとしても、仕事は減りません。資料を作ったりメールを返したり、一つひとつタスクを潰す。そうやって作業を分解したほうが、不安は確実に小さくなります。

考え事ができる暇があるから、不安になる

 人間関係の不安も同じです。将来一人になるのが不安なら、今から趣味の仲間や話し相手を少しずつつくっておく。独身だから孤独になるという話ではなく、結婚していてもどちらかが先に死にます。であれば、先回りして人間関係をつくっておくのが現実的です。

 そうやって行動していれば不安は減っていくものですが、行動に移そうとしても、心が追いつかなくて行動できない人もいます。

 そういう人はきっと暇人です。考え事ができる余裕があるから不安になるわけなので、体に負荷をかけてみるのもアリです。
マラソンや水泳で酸欠ギリギリまで追い込むと、脳が体の回復を優先するので、余計な絶望をしている余裕はなくなります。気持ちを切り替えるというより、考えすぎる時間を物理的に減らすわけです。

 さらに不安を減らすには、「最悪の場合どうするか」を先に決めておくのも大事です。

 僕が15年前に日本以外の国でも住める許可を取り始めたのも、「日本にいられなくなったらどうするか」という不安に対して、先に選択肢を作っておいただけです。僕は悠々としているように見えるかもしれませんが、もちろん不安がないわけではなく、不安に対して先に動いているだけなのですね。不安は消すものではなく、タスクに変換して、行動で潰していくものなのですよ。

構成・撮影/杉原光徳(ミドルマン)

―[ひろゆきの兵法~われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?~]―

【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。
新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
編集部おすすめ