超高学歴アイドルグループ『学歴の暴力』のメンバーである、らむむらむさん。北海道大学を卒業したエリートであり、高IQ集団「MENSA」会員でもある。
彼女は、母親がかつての職場に電話をかけ、退職がバレたことをSNSで明かした。なぜ過干渉が続くのか。「もう縁を切りたいです……」と漏らす彼女の声に耳を傾けた。
北大合格も「及第点ね」…過干渉な母親に”我慢の限界”を迎えた...の画像はこちら >>

幼少期から続いた監視のような過干渉

――どのようなご家庭だったのでしょうか。

らむ:いわゆる転勤族ですよね。中学2年生ままでは青森県にいて、それ以降は宮城県にいました。大学進学とともに北海道へ私は住みました。

――とうに成人を超えているらむさんですが、いまだにお母様は職場に電話をかけるなどしている。

らむ:過干渉は幼い頃からありました。たとえば「(勉強のできる)◯◯ちゃんと仲良くしなさい」などと言って友人関係に口を出すことはしばしばありました。あるいは、思春期になっても母が買ってきた洋服を無理に着せようとして、私が拒否をすると洋服を投げつけられたり……。

――「母親の干渉がきつい」と意識したのはいつ頃ですか。

らむ:わりといつもきついのですが、干渉というよりも監視になってきたのは中学2年生のときだったと思います。
当時、勉強のストレスから不安定になって引きこもがちになってしまいました。これに慌てふためいた母が、24時間私の部屋のドアを開けた状態で張り付いていたんです。プライバシーみたいなものはないんですよね。

北海道大学合格は「及第点」と…

――勉強のプレッシャーは、昔からあった。

らむ:そうですね。小学生のときは、上の学年の問題を解かされたのですが、それがわからないと父から「バカっ!」と怒鳴られていました。

――ご両親ともに勉強がおできになるのでしょうか。

らむ:父は勉強が好きだったようです。旧帝大を目指したけれども、叶わなくて、高卒だったはずです。母はそこまで偏差値が高いわけではない私大……といったところでしょうか。

――では、ご両親は北海道大学合格をかなり喜んだのではないですか。

らむ:内心ではわかりませんが、かけられた言葉は「及第点だね」でした。両親は東大に行ってほしかったようですが、旧帝大である北大に滑り込めたから及第点――という意味かなと思っています。


――家庭という密室空間にいると、どんな仕打ちを受けても親を客観視できないことがありませんか。

らむ:まさに私もそうだったと思います。大学で独り暮らしを始めて、いろいろと自分の内面に向き合ったとき、アダルトチルドレンに関する文献などを読んで「自分のことかも」と思いました。ただ、母からはずっと「ママがあなたを愛していないと思っているんでしょ? それは違うからね」と言われていました。だから明確に母を毒親だと思えたのは、結構最近です。

苛烈な言葉の暴力を浴び、我慢は限界に

――ちなみにお母様からどんな仕打ちを受けましたか。

らむ:古い記憶だと、小1くらいのときに、筆箱で殴られたのは覚えています。どうして怒られたのかは判然としないのですが……そのときは母から謝られましたね。

中学くらいのときも覚えていることがあって。母がご飯を作ってくれて、「ご飯だよー」と呼んでくれたらしいんです。「らしい」というのは、勉強に集中してしまうと、周囲の物音が聞こえなくなってしまうので、わからなかったんです。それに業を煮やした母が私のところにきて、フライパンからまだ熱々のパスタを顔にめがけて投げつけてきたんです。幸いヤケドには至らなかったものの、「熱い」というのはわかりました。


――らむさんの成長とともに言葉による暴力に変わっていった。

らむ:そうですね。たとえば親戚がたくさんいる前で、「この子なんて北海道大学を出たのに、文系職について、期待外れなの」と言ったり。直近で喧嘩したときは、はっきりと「(あなたを)産んで後悔している。期待通りの娘ならよかった」と言われました。

呪縛を断ち切るため…決別を選択

――さまざまな被害を受けているようにみえますが、縁を切ろうと思うまでにはなかなか至らない。

らむ:そうですね。離れて暮らしてからも、必ず月に1回は電話がくるのですが、私は30分くらいで切り上げたいんです。でもだいたいいつも何時間も話すことになってしまっていました。LINEも毎週来て、面倒に感じてスタンプ1個だけ送ったりすると、「お母さんのこと舐め腐ってるからそういう態度なんだよね?」と激怒されます。

――「縁を切りたい」投稿のきっかけは、お母様が前の職場に電話をして、会社を辞めたことを把握したことでしたよね。

らむ:端緒としてはそうですね。
その職場は堅い職場で、母がとても気に入っていました。しかし実際に働いてみるといろいろたいへんなことがあって、私は退職を決意しました。当然、母が知るところとなれば怒ると考え、私は特に伝えずにいたんです。ただ、そういうさまざまなことを考えるのも、もう疲れてしまったんですよね。母に対して私の人生から出ていってほしいなと今は思っています。

――具体的に、どのような手段で距離を置いたのでしょうか。

らむ:LINEで「自分のことは自分でやるので、しばらくかかわらないでほしいです。一旦ブロックさせてください」と送り、ブロックをしました。現在もそのままです。

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らむさんがアイドルを志したのは、社会人になってからだという。母親の呪縛から解き放たれ、本当の意味で自由に踊れる日が来ることを心から願う。

<取材・文/黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。
可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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