―[ひろゆきの兵法~われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?~]―

人生では「やること」よりも「やらないこと」を決めるほうが大事な場合がある。そう語るひろゆき氏。
たとえば、バレなければ得をするような小さなズルや、勝てるかもしれないギャンブル。一度うまくいくと「大丈夫だった」という成功体験が残り、次第にリスクへの感覚が鈍っていくという。中年以降は、ひとつの失敗が家庭や仕事、人間関係まで壊しかねない。ひろゆき氏が考える、人生で「やらない」と決めるべきこととは?

人生においては「やらないこと」を決めるほうが大事

ひろゆきが語る、中年以降は絶対にやってはいけない“危険な賭け...の画像はこちら >>
 人生においては「やること」より「やらないこと」を決めるほうが大事だったりします。わかりやすいのは、バレたらまずいこと。不倫でもちょっとしたズルでも、「バレなければ得をする」「失敗しなければいい」みたいな行為は、最初から触らないほうがいい。

 これは道徳の話というより、確率と習慣の話です。例えば、6発のうち1発だけ本物の弾が入っている銃があり、1回引き金を引くと1000万円もらえるなら、切羽詰まった人は「6分の5の確率で助かるなら得じゃん」と思ってやるかもしれません。

 でも、1回成功して「やっぱり大丈夫じゃん」と思ったが最後。2回目、3回目、4回目と続けてどこかでハズレを引く。最初は6分の1の確率でも、4回やると約50%の確率で死ぬわけです。

 ギャンブルが成立する理由はこれで、賭け事を続ける人の多くは、当たったときのことは覚えていても、負けたことはあまり覚えていません。結果としてトータルで損しているのに、「自分は勝てる」と思い続けるわけです。


 つまり、怖いのは悪いことにハマるより、「うまくいった経験」にハマることです。セルフレジで打ち忘れた商品にあとで気づいたとき、「まあ、100円くらいだし」とそのままにすると、「バレなかった」「得をした」という小さな成功体験が残る。そういう危険な成功体験があると、次に似たような場面で少しだけ雑になります。

 最初は偶然でも次は出来心になり、いつの間にか「自分はバレない側の人間だ」と勘違いする。そしてたった100円のために人生を壊すことに繋がる。中年以降にそんな“ハズレ”を引くと、家庭や仕事、人間関係、お金など、抱えているものが多いだけに、壊れたときのダメージも大きくなります。

小さな成功体験が、人生崩壊に繋がる

 つまり、氷河期世代が「やらない」と決めるべきなのは、「成功リターンよりも失敗リスクが大きいこと」です。成功しても何も積み上がらないのに、失敗したときだけ人生が壊れる。そういうリスクは最初から取るべきではない。

 もし、“ヒリヒリした感覚”が欲しい人がいるなら、そういう人は事業でもやったほうがいいです。事業家は仕事自体がギャンブルみたいなもので、変な賭け事よりよほどハイリスクです。たとえばソフトバンクの孫さんなんて、借金が10兆円を超えている時期もあるわけで、とんでもないリスクテイカーのギャンブラーだと思います。


 でも、事業のリスクは、うまくいけば価値を生みます。雇用も生まれるし、サービスも残るし、社会に何かしらの影響を与える可能性もあります。失敗しても、経験や知識として次に繋がることもある。

 どうせリスクを取るなら、成功したときに何かが積み上がるものにしたほうがいいし、運任せで動くようなことはしてはいけません。そもそも氷河期世代は「自分は運がいい」とか思ってはいけません。だって、本当に運が良かったら、氷河期世代に生まれるなんて不遇な目には遭っていないですから。

構成・撮影/杉原光徳(ミドルマン)

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【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。
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