大相撲の元関脇でタレントの豊ノ島が1日、東京・立川市で会見し、立飛女子相撲部ヘッドコーチ(HC)への就任を発表した。契約は4月から結び、既に指導を開始している。
豊ノ島HCは2023年1月に日本相撲協会を退職し、タレントに転身した。元NHKアナウンサーで、同部監督を務める刈屋富士雄氏からHCのオファーを受け「相撲人なので、相撲界を離れても、こういう形で相撲ともう一度向き合える。自分にとってもすごくいい話だと思った。携わらせてもらって、相撲がやっぱり好きなんだなと改めて思った」と語った。
同部は昨年4月に全国的にも珍しい実業団の女子相撲部として創部し、立飛グループに入社した2023年世界選手権無差別級優勝の26歳・久野愛莉が在籍する。現在は部員1人。豊ノ島HCは週に1日以上はまわしを着けて土俵に上がり、世界女王奪還を目指す久野を二人三脚で指導していくという。この日の稽古でも土俵際で何度も押し返し、「現役の時よりも番数取ってるなって」と笑いつつ、「久野をもう一度、世界一にできるように私も頑張りたい」と力を込めた。
昨年は世界選手権で3位にとどまった久野も、頼もしい指導者を迎え、9月の世界選手権(バンコク)に向けて意欲を新たにした。豊ノ島HCの就任を聞いた時には「テレビで拝見していた元三役の方がコーチになってくれるなんて、そんなぜいたくな話はない。びっくりしたのと同時にワクワクした」という。実際に指導を受け「本当にわかりやすい。