◆第171回天皇賞・春・G1(5月4日、京都・芝3200メートル)
第171回天皇賞・春・G1(4日、京都)の出走馬15頭が1日、決まった。戸田和彦記者が担当する「考察」のキーポイント編は“リピーター”が発生しやすい傾向を踏まえ、昨年の2着馬ブローザホーンに注目した。
データ編でも記したが、天皇賞・春は“リピーター”が多い。連覇したキタサンブラック(16、17年)とフィエールマン(19、20年)だけでなく、15年3着(10番人気)、16年2着(13番人気)と人気薄で激走したカレンミロティックなども含まれる。15年以降で、前年に馬券圏内に突入していた馬は12頭が出走して【2514】の好成績。昨年の1、3着馬が未出走の今年は、同2着のブローザホーンに注意が必要になる。
何と言っても“京都巧者”ぶりが強調材料だ。京都外回りは、3~4コーナーにかけて上って下るコース形態。近年は平坦な直線に向かって、下り坂でスムーズに加速できるか否かが勝負の大きな分かれ目になっている。ブローザホーンは京都外回りで【3102】。24年京都大賞典(11着)は仕上がり途上、23年京都大賞典(心房細動で競走中止)と連対を外した2戦は、ともに度外視できるレースだった。
下り坂を味方にできる理由として、吉岡調教師は「体幹の強さ」を挙げる。
昨秋は3戦連続2ケタ着順と不本意な成績に終わったが、前走の阪神大賞典で3着と復調の兆し。この中間はさらに状態を上げている。4月19日には栗東・CWコースで6ハロン81秒7―11秒9と自己ベストに迫る時計をマーク。「走る方に気持ちが向いている。昨年と遜色ない状態」と指揮官は仕上がりに胸を張り、「京都の長距離は一番良さが出るコース」と言い切る。1日に決まった枠順の有利不利、展開なども含め、頭のなかを整理して結論を導き出したい。(戸田 和彦)