シンガー・ソングライターの小田和正(77)が1日、静岡・袋井市のエコパアリーナで全国アリーナツアー(13か所28公演)の初日公演を迎えた。約2時間にわたり代表曲「ラブ・ストーリーは突然に」や、最新曲「すべて去りがたき日々」など全20曲を歌唱。

自身が持つ国内アーティスト最年長アリーナツアー記録を77歳7か月に更新した。

 総立ちの8000人に温かく迎えられた。約2年ぶりとなるツアー。会場の真ん中に立ち、四方から拍手を浴びると「こうしてまたみんなに会えることをうれしく思います」と喜びをかみ締めた。小田のコンサートでおなじみとなっている花道も、200メートルにわたって設置。時折、駆け足で巡りながらファンと目を合わせると、目頭を押さえる場面もあった。

 70代後半となった今も週2日でジムに通い、トレーニングに励む。それでも、小田の事務所関係者は「ちょっと前までは年齢の割に若いねって言われたこともあったけど、今は年相応になりました」と体力面の衰えを否定しない。

 そのため、今回のツアーは公演数を絞ることも考えたが「全国各地との縁や付き合いもある。はしょっていくわけにはいかない」(同関係者)と、これまでと同規模のツアーを決行。アリーナツアーの最年長記録も更新し「お客さんと一緒に歌って楽しくできれば」と目を細めた。

 その言葉通り、小田の歌声に合わせてファンも合唱。

客席から「頑張って!」の声をかけられると、小田は「『頑張って』って言われるということは、どこか頑張ってないってこと…。頑張りま~す」とおどけながら応えてみせた。

 ツアーはこの日から5か月間に及ぶ。「最後まで行きつけるように頑張ります」。小田が着用していたシャツの背中には「ALL TOGETHER(みんなで一緒に)」の文字。心強い声援に支えられているレジェンドは、全国に歌声と元気を届けにいく。(松下 大樹)

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