J1清水エスパルスは1日、国立で行うホーム・名古屋戦(3日)に向け、三保で調整した。前節(4月29日)のアウェー・FC東京戦では急きょ欠場したDF蓮川壮大(26)に代わり、ボランチを本職とするMF宇野禅斗(21)がセンターバック(CB)でプレーし6試合ぶりの完封に貢献。

清水担当の武藤瑞基記者が「占う」で再び宇野がキーマンになると予想した。

 前節のFC東京戦、発表されたスタメンを見て仰天した。2日前(4月27日)、古巣戦に向け意気込みを語っていた蓮川の名前がなかった。秋葉忠宏監督(49)は詳細な説明を避けたが、何らかのアクシデントが発生したという。代わってCBに入ったのが宇野だった。

 前日含めほぼ練習なしで「中学以来」のポジションで先発。緊急事態に動じず、90分タフな守備を貫いて6試合ぶりの完封に貢献した。身長差が12センチあるFWマルセロヒアンにも果敢に挑み「相手がどう対応されたら嫌か、考えながらプレーした」と胸を張った。

 故障者が続出するチームで存在感は際立っている。4月16日の横浜M戦でもほぼ未経験のサイドバック(SB)でプレー。「チームを助けるためにも複数ポジションできるのはいいこと」。DFラインは主戦の住吉、蓮川、高木が離脱中で山原は復帰したばかり。

さらにFC東京戦で吉田が負傷交代しており、秋葉監督も「正直、台所事情は厳しい」と漏らすほど。CB、SBとも綱渡りの起用が予想される。

  昨季ルヴァン杯王者の名古屋は19位に低迷しているが、個の能力は低くない。チーム事情から宇野は再び本職外のポジションでの起用が濃厚。「慢心せずにいいパフォーマンスを出していけるかが大事」と語る通り、守備のカギを握る存在になるのは間違いない。

 J1で4連勝なら14年以来11年ぶり。国立では東京Vとの今季開幕戦で公式戦15試合ぶりに勝利(1〇0)したが、ホームに限定すると96年10月の横浜F戦(4〇2)以来、29年ぶりの白星を目指す一戦となる。クラブ関係者によると5万人以上の来場は確実。「国立でプレーできる喜びかみ締めてやれれば」と語るハードワーカーが、聖地を沸かせてくれるはずだ。(武藤 瑞基)

 〇…DF山原怜音が3月8日のG大阪戦以来、9試合ぶりに先発する可能性が浮上した。故障で約1か月離脱し、4月20日の福岡戦でベンチに復帰。直近2試合は途中出場で計3分のプレーにとどまるが「体は動くし、コンディションも問題ない。

長い時間やれると思う」ときっぱり。この日のシュート練習でも強烈な弾道を連発して決戦に備えた。

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