◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 疲れ切った表情が重圧の重さを物語った。4月6日に阪神競馬場で行われた大阪杯・G1の表彰式。

史上初のレース連覇を果たしたベラジオオペラを所有する林田祥来オーナー(59)を祝福した。実績的に挑戦者だった昨年とは違い、今年は王者として迎えた一戦で勝利した直後だった。

 「勝てると思ってなかった。プレッシャーも半端でなかった」。つぶやいた言葉は、偽らざる本音だろう。その後の祝勝会。いつもはパワフルなオーナーが、珍しく早々に帰路についた。期待と不安が繰り返し襲ってきたジェットコースターのような数日間から解放され、ゆっくり羽を休めたかったのだと思う。

 昨年の3月。大阪杯に挑戦するオーナーにインタビューする機会に恵まれ、直後のG1を勝利。「今年もウィナーズサークルで会いましょう」と事前にLINEを送ったが、2年連続で実現したのは本当に幸運だった。

 大阪出身で、社長を務めていた「ベラジオコーポレーション」は、大阪を中心にパチンコ店を展開。

隣県兵庫の園田競馬で馬主となったように、関西への地元愛は強い。「阪神でG1を2勝させてもらった」と感謝の思いは尽きないという。

 次にオペラが出走を予定しているのは、ファン投票で出走馬が決まる春のグランプリ・宝塚記念(6月15日、阪神競馬場)。昨年の宝塚、有馬記念ではファン投票3位だったが、1位のドウデュースが引退。着実にファンを増やしているオペラが、ファン投票1位の栄誉を勝ち取っても不思議ない状況だ。微力ながら記者もオペラの記事を書くことで、少しでも貢献したいと思っている。(中央競馬担当・戸田和彦)

 ◆戸田 和彦(とだ・かずひこ) 2001年入社。22年から2度目の中央競馬担当。芋焼酎好きで自宅に50本前後の一升瓶を所有。

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