◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(4日、千葉・浜野GC=6751ヤード、パー72)

 首位から出た菅沼菜々(あいおいニッセイ同和損保)が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算10アンダーで逃げ切り、23年10月の延田グループ・マスターズGCレディース以来、2年ぶりのツアー3勝目を挙げた。昨季は29試合に出場して16試合で予選落ち。

メルセデス・ランクは79位に沈み、シードを喪失した。今季のQTランクも102位と、数少ない出場機会をものにした。苦しい時期を乗り越え“ゴルフ界のアイドル”が復活を遂げた。優勝会見での菅沼の主な一問一答は以下の通り。

 ―優勝したときの心境は?

 「信じられない。ここまで早く復活できると思わなかったので、不思議な感覚でした。(18番の)パーパットを打つまで時間があったので、辛かったこととかを思い出してしまって、泣きそうになりました」

 ―思い出していたことは?

 「ティーショットが曲がるし、パターも入らないし。全部がうまくいかなかった。ゴルフ場に来るのも嫌になるくらい苦しい時期が続いたので、感情的な部分を思い出しました」

 ―18番のアプローチはどんな心境だった?

 「勝っても負けても、後悔がないように練習してきた。緩んでしまったりするのは一番悔いが残るので、しっかりと打つことに集中しました。やってきたことを信じて打ちました」

 ―QTが終わってから。

 「1月半くらい練習をしなかった。

楽しくてまたやりたいと思うまでクラブを握らないと決めました。それが逆に、変な癖が消えた。コーチの森(守洋)さんに習いに行っていたので、そこからしっかりとまた良かった時のスイングに戻していきました。その1か月半のお休みが良かったのかなと思います」

 ―コーチから学んだこと。

 「『菜々ちゃんは天才だから、頑張って』と褒めて伸ばしてくださるタイプ。スイングも言葉じゃなくて、動きで教えてくれるので凄くわかりやすいです。本当に有難いなと思います。昨日の夜にスイングの動画を送って『これなら曲がらないから。信じてやっておいで』と言われました」

 ―SNSで発信することが嫌になったときはある?

 「ありました。成績が悪い時に発信すればするほど火に油を注ぐというか(笑) 反対的な意見が多いので、頑張るだけ頑張っていて、これ以上どうすることもできなかった。成績はついてこなかったけど、ゴルフをもっと広めたいとか、自分ができることはしたいので発信はしていました」

 ―広場恐怖症の治療。

 「薬はドーピングで飲めないので、特に今は病院に行ったりはしてないけど、自然に治ることを祈ってやっています。

この間、バスに乗る機会があって、乗ってみようと思って。自分がどん底に落ちたから気持ちも強くなって、電車とか新幹線はまだ分からないけど、バスには乗れるようになりました。ちょっとだけお酒を飲むので、駅までバスに乗ってみようと思って。去年、稼げていないのでタクシーはもったいないと思って(笑)。バスに乗って駅まで行ったら乗れました。20分くらいです」

 ―来週のメジャーにも出られるように。

 「めっちゃうれしいです。プロになってずっと出ている試合なので。好きなコースなので出たいと思っていたので、すごくうれしいです」

 ―昨年はトップ10フィニッシュ。

 「奇跡の9位だった(笑) あの調子でトップ10には入れたので、すごく思い入れもあるので、頑張りたいと思います」

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