◆第30回NHKマイルC・G1(5月11日、東京競馬場・芝1600メートル)

 ニュージーランドTで3着に好走して優先出走権を手にしたコートアリシアン(牝3歳、美浦・伊藤大士厩舎、父サートゥルナーリア)は、広い東京替わりでパフォーマンスを間違いなく上げてくるとみて注目したい。昨年6月の東京での新馬戦は、鋭い切れ味を発揮して5馬身差の完勝。

同じ左回りの新潟2歳Sでも2着に好走しており、G1で相手関係は上がっても舞台条件は好転する。

 地力を見せた前走も、内の2番枠から終始内を通らされて、直線で馬群をさばきながら0秒2差まで追い上げた内容は中身が濃い。伊藤大調教師が「3、4コーナーで外に出したかったけど、ずっと隣に馬がいたからね。内で泥をかぶる位置に入っていたけど、うまく出せればワンチャンあったと思う」と、悔しいながらも手応えをつかめたのはうなずける。

 血統面も魅力だ。伯父ストロングリターンは、12年の安田記念や11年の京王杯スプリングCを制して、11年の安田記念でも2着に好走したG1馬。伯母レッドオーヴァルも13年の桜花賞で2着に好走した実績馬で、マイルの大舞台で血が騒ぐ予感がする。

(坂本 達洋)

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