Hey!Say!JUMPの伊野尾慧(34)が、2001年の入所から25年目を迎えた。2週連続インタビュー前編は、伊原六花(25)とダブル主演を務めるフジテレビ系ドラマ「パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実」(火曜・後11時)を中心に、アイドルとして向き合う「演技」や「俳優業」について語った。
何度も、何秒間も、伊野尾は瞳を閉じた。自身の思いと言葉がしっかり重なっているか確認するように、目をつむったまま、区切りながら言葉を紡いだ。
時折、「この言葉で合ってますかね?」と問いかけてきた。向き合うまでは「当意即妙」なタイプだと思っていたが、一つの言葉、意味にこだわる思慮深さを感じさせた。
現在放送中の「パラレル夫婦」の撮影でも、頭をフル回転して向き合っている。
「撮影は思った以上に大変。パラレルワールドなので、ただの夫婦の話ではなくて、現実に起こり得ないことに直面した時に、どういった気持ちになるのか想像を膨らませています」
アイドル、情報番組のMC、バラエティーの出演者…。さまざまな“顔”を持つ伊野尾にとって「演じる」ということは―。そう尋ねると「面白いですね」と言い、「新しい自分に直面するのが楽しいです」と続けた。
「日常生活であり得ない状況に陥った時にどういった感情になり、どういう表情が出てくるのか。知らない自分を知ることができる。今回のドラマでも、後半に向けて感情的な芝居が多くて。
同作の主題歌「encore」の話題になると、頬を緩めた。「正直、ドラマをやる理由の一つだと思っていて」。再び目をつむった。3秒、4秒たっても目は開かずに、口を開き始めた。「年齢を重ねてくると『選択』する自由も出てくる。全てをやるじゃなくて、やらないという『選択』も取れるようになってくる。その中で、やっぱりグループで楽曲を出すことがすごい大事なんだなと思うことが増えてきた。今回は主演で、主題歌も任されるというすごく貴重なお話をいただいて、ぜひ、ぜひやらせていただきたいと」
その後の取材でも、伊野尾は「選択」というフレーズを繰り返した。「永遠に続くモノはない。だからこそ、しっかりと選択していきたい」。少し哀愁を漂わせた表情で、伊野尾は自身とグループのキャリアについて語り始めた。=後編に続く=(田中 雄己)
◆伊野尾 慧(いのお・けい)1990年6月22日、埼玉県出身。