◆第30回NHKマイルC・G1(5月11日、東京競馬場・芝1600メートル)

 金星を引っさげてマイル王決定戦に殴り込む。イミグラントソングはニュージーランドTで朝日杯FSの覇者アドマイヤズームを撃破。

先に抜け出した2歳王者を差し切った上がり最速33秒1の末脚に、管理する辻調教師は「臨戦過程が違ったとはいえ、力がないと差し切れないですから」と胸を張る。

 まさに飛躍の時だ。開業5年目を迎えるトレーナーは、ファンダムの毎日杯で重賞初制覇を成し遂げると、ニュージーランドTで重賞出走機会2連勝。デビュー3戦無敗のファンダムはダービー参戦を表明し、有力馬の一角とみなされている。競馬の祭典へ弾みをつけるためにも、NHKマイルCで結果がほしいところ。だが、「目標がG1というだけでやることを変える必要はないし、レースへ向けて状態を上げるだけ」とあくまで平常心。自ら調教にまたがり丹念に状態をチェックする仕事人は、浮足立つことはない。

 1週前追い切りの先月30日には、美浦・Wコースの3頭併せの真ん中で抜群の手応えを見せ、好調をアピール。鞍上には新たにルメールを配し、態勢に抜かりはない。それでも「もう一段上げても良さそうな雰囲気」と、必勝態勢を築くべくさらなる上昇を図る。東京の長い直線で今度も強敵たちをなで切りだ。

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