◆プロボクシング ▽WBA世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・フェルナンド・マルティネス―同級6位・井岡一翔▽ライト級(契約体重133ポンド=60・3キロ以下)10回戦 堤駿斗―ハイメ・アルボレダ▽フライ級(契約体重110ポンド=49・8キロ以下)8回戦 吉良大弥―ジャクソン・サパタ(5月11日、東京・大田区総合体育館)

 元東洋太平洋フェザー級(57・1キロ以下)王者でWBA世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)4位・堤駿斗とWBA世界ライトフライ級(48・9キロ以下)6位の吉良大弥(ともに志成)が6日、東京・目黒区の所属ジムで次戦に向けた練習を公開した。

 堤はWBA世界スーパーフェザー級15位ハイメ・アルボルダ(パナマ)と契約体重133ポンドのノンタイトル10回戦を、プロデビュー2連続KO勝ちの吉良はWBA世界ライトフライ級13位ジャクソン・サパタ(ベネズエラ)と契約体重110ポンドのノンタイトル8回戦で対戦する。

メインイベントでは元世界4階級制覇王者でWBA世界スーパーフライ級6位の井岡一翔(志成)が同級王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)に挑むダイレクトリマッチが行われる。

 「ここまで順調に来られている。最後まで集中して、自分のやるべきことをやる」と駿斗。昨年12月31日の大田区総合体育館興行では、メインに予定されていた井岡の世界戦が王者マルティネスのインフルエンザ感染により中止となり、急きょ、堤がメインイベンターとして元WBA世界スーパーフェザー級王者レネ・アルバラード(ニカラグア)に8回TKO勝ち。期待に応えた。

 この日はシャドーボクシング、ミット打ち各1ラウンドと軽めもキレの良い動きを披露。4月2日の記者発表会見からここまでスパーリングは約80ラウンド消化し、先週打ち上げた。体重も「あと4キロちょっと」だという。

 アマチュア13冠を誇り、プロでも6連勝中の駿斗。弟の麗斗(志成)が2日に米国ニューヨークでレベール・ウィッティントン(米国)に判定勝ち。タイムズスクエアでの派手な興行でプロデビュー戦を勝利で飾った。さらに、4日にはラスベガスで、かつてスパーリングパートナーをつとめたことがある井上尚弥(大橋)がラモン・カルデナス(米国)相手に、2回にダウンを奪われながらも8回TKO勝ち。

スーパーバンタム級(55・3キロ以下)の4団体統一王座防衛に成功した。いずれも配信で見たという駿斗は「弟はデビュー戦の大舞台で初めてのことが多かったが、その中でやるべきことがやれた。本人は悔しがっていたが、自分はいい刺激になったし、モチベーションをもらった。自分もいいパフォーマンスをして、兄としての背中を見せたい」と話した。井上については「(ダウンに)びっくりしましたが、その後の修正力はさすがです」とうなった。年内に世界戦実現を目指す駿斗は「最初から最後まで試合を支配して、最後は倒す。10ラウンドのゴングは鳴らさずに決めたい」と言葉に力を込めた。

 一方、先月から世界ランクを2つ上げた吉良は「いい感じで来ています。いつも身近で練習している先輩(麗斗)が大きい舞台で試合をして、しっかり結果を出しているのは誇りに思うし、尊敬します」と刺激をもらった様子。練習では井岡や東洋太平洋フライ級王者・飯村樹輝弥(角海老宝石)らの胸を借りてスパーリングを実施して調子を上げてきた。「試合では自分の考えで動いて、最終的にはどこかのラウンドでタオしたい」と意気込んだ。

 戦績は、33歳のマルティネスが17戦全勝(9KO)、36歳の井岡が31勝(16KO)3敗1分け、25歳の堤が6戦全勝(3KO)、30歳のアルボルダが20勝(15KO)3敗、21歳の吉良が2戦2勝(2KO)、28歳のサパタが11勝(9KO)2敗2分け。

 試合はABEMAでライブ配信される。

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