◆プロボクシング▽バンタム級(53・5キロ以下)10回戦 〇伊藤千飛(KO 4回1分56秒)ラネリオ・クイーゾ●(6日・神戸市立中央体育館)
東洋太平洋バンタム級11位、WBOアジアパシフィック同級9位の伊藤千飛(せんと、真正)が自身初の10回戦で、ラネリオ・クイーゾ(フィリピン)に圧勝した。
最後は右ストレートで決めた。
試合開始から左のボディーブローとアッパーで攻め、流れを作った。3回は「手応えがあった」と語る連打で追い込み、4回でとどめを刺した。デビューから約1年の新星が、4戦目で圧倒的なパワーで会場を沸かした。
デビュー2連続KO勝ちも前戦は判定勝ち。「前に出るボクシングができなかった」と反省が残る内容。真正ジムの山下正人会長からも「体で止めずに下がってしまっている」と指摘を受けた。そこから練習を重ねていたのがボディーブローとアッパー。試合中に何度も食らわせ、相手の動きを鈍らせた。
試合前日はボクシングを始めたきっかけでもある、世界4団体スーパーバンタム級世界統一王者・井上尚弥(大橋)がラスベガスで防衛する試合を見て士気を高めた。「世界チャンピオンになれるよう頑張ります」。
◆伊藤 千飛(いとう・せんと)2005年6月25日、兵庫・伊丹市生まれ。3歳から空手や元キックボクサーの父・陽二さんが営む道場でキックボクシングにも取り組んだ。小4からエスペランサジムでボクシングも始め、興国高入学と同時にボクシングに転向。同高1、2年時に全国選抜大会連覇。3年時には、カザフスタンで行われたアジア大会で3位。家族は両親と姉と妹2人。姉の柚姫は競輪選手。