お笑いコンビ「ナインティナイン」の岡村隆史がこのほど、大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)の大阪・関西万博会場、EXPOホール「シャインハット」で冠トーク番組・カンテレ「おかべろ」の番組初という公開収録に臨み、レギュラーメンバーの「NONSTYLE」石田明とともに漫才を披露。岡村にとって8年ぶりの漫才に触発されて、矢部浩之への“相方愛”を再確認。
6月7日(フジテレビは同8日)放送回は、万博アンバサダーのコブクロがゲスト。その前に岡村と石田の「OKA STYLE」が約1900人の観衆を前にしゃべくりを始めた。漫才の前半は「岡村がパーマを当てた」というツカミと、「コンビ結成は石田の相方・井上裕介が(道交法違反で書類送検されて)謹慎していた2016年度以来」というくだりで、そのまま“エアカードマジック”のコント漫才ネタに入った。
前半は約2分。コント漫才の部分は約6分半。理想的な配分で観衆を爆笑させたように思えたが、4本撮りを終えて囲み取材に応じた岡村の顔はさえなかった。石田が暴露した。
石田「(岡村は)ネタに入るまで『結構自由にやるわ』という感じで言うてはったんですけど…」
岡村「石田さん…」
石田「何も入れてこなかったです」
爆笑する報道陣とともに苦笑いした岡村が続けた。
岡村「もう漫才恐怖症というか、漫才を何年もやってませんので。こうやって石田さんと『OKA STYLE』を(約)9年前にやったんですけど、そん時、メチャクチャ稽古させてもらったんです。石田さん、それがよっぽどイヤやったみたいで、今回は逃げ回られたというか。
石田「朝の生放送終わってから来てるから!」
岡村「『ちゃんと漫才の稽古の時間つくってください』と言うたのに、稽古する時間もなかなかなくてですね。でも一応、先輩ですから石田さんに『前半ゆっくり行くわ』って言うたのに…真っ白になってしまいまして。バッと本ネタに入るという、後輩にみっともないところを見せたと思ってます。余裕がなかったんです。すみません」
2017年1月の博多華丸・大吉結成26周年記念イベントで漫才を披露して以来の「OKA STYLE」。近年、ナインティナインとしてテレビでコントや、ラジオでリスナーのネタを元に漫才をすることはあっても、岡村が観客の前で本格的な漫才に挑戦するのは、17年の「OKA STYLE」以来とのこと。だが、ナインティナインとして散々やっていた、自身の背の低さで笑わせるツカミのボケもやれなかった。
石田「鉄板のサンパチ(センター)マイクを(自分で縮めて)下ろすくだりは、しなかったんですか?」
岡村「出る前までやろうと思ってたんですよ。ところがもう出て行ったら…(一同爆笑)。緊張しましたけど、久々にお客さんの前で漫才という形を取らしてもらったのは楽しかったです。皆さんの笑顔も見れたんで」
この楽しいステージをきっかけに、三たび「OKA STYLE」で漫才をすることはあるのか。
岡村「勘違いしたらアカンなというのは、お互いがコンビで相方がいるということ。
若手時代に漫才に取り組んだのは、あくまでテレビタレントとして人気を得るため。そんな後ろめたさが、サンパチマイクとお客さんを前にするとフラッシュバックしてしまう。
岡村「石田みたいに漫才を知り尽くしている人に指導してもらいながらやる方が、僕的には楽。またこの先、ナインティナインとしてネタをやるかどうか分からないですけど…ホントはやりたくないんですよ。やりたくないんですけど、お笑い(芸人)として吉本にいてる限りは、お客さんの前で面白いことするのは、自分の中でやらなアカンことやと思ってるので。石田さんに協力していただいてる形です」
石田「僕は常にナインティナインの漫才を書く準備はできてるんでね」
岡村「NSC(吉本総合芸能学院)の時からお世話になってる先生に漫才のネタを書いてもらったんですけど、それをすぐに石田に渡して『訂正してくれ』と。『年いってから営業で漫才やれるように(漫才ネタを)1本だけ持っときたいねん』と石田に渡しました」
石田「GOさえ出ればすぐ書きます」
岡村「(矢部と)2人でお客さんの前でやる営業とかも行ったことがない。この先どうなるか分からないんですけど、そういうのができる日があれば、やりたいなと思って。吉本にいる限りは準備だけしとこうという気持ちはもちろんあります」
デビューしてすぐに東京進出を果たし、下積みの経験がほとんどないナインティナイン。そんな岡村ならではの、お笑い芸人としてのアイデンティティーをめぐる葛藤を披露した。矢部とともに「師匠方」と言われるような年齢に達してから取り組んでも遅くない。
◆今回収録の「おかべろ」ゲストと放送日(いずれも6月)
▼コブクロ (関西)7日午後2時28分(関東)8日深夜2時50分
▼なにわ男子・藤原丈一郎&大西流星、Aぇ!group・末澤誠也&小島健 (関西)14日午後28分(関東)15日深夜2時50分
▼ハイヒール・モモコ、なるみ、銀シャリ、アインシュタイン・稲田直樹、バッテリィズ前編 (関西)21日午後2時28分(関東)29日深夜2時50分
▼同後編 (関西)28日午後2時28分(関東は休止予定)