将棋の藤井聡太名人=竜王、王将、王位、王座、棋王、棋聖=に永瀬拓矢九段が挑戦する第83期名人戦七番勝負第3局が9日、大阪・泉佐野市のホテル日航関西空港で指され、午後6時30分、後手番の藤井が52手目を封じた。翌10日に指し継がれる。
戦型は矢倉。藤井は2手目で、第74期王将戦七番勝負の第5局で初めて指した△3四歩。その後は前例にない将棋が続き、永瀬は午前から30分前後の考慮を3度行った。一方の藤井は素早い指しを続け、昼食休憩時点で持ち時間(各9時間)の残りに2時間弱の差ができた。午後に入ると藤井も本局最長の53分の長考。封じ手時刻の10分前となる午後6時20分には記録係に封じ手用紙などの準備を求めた。しかし定刻になると扇子を手に取り、まばたきを多くしながら盤をしばらく見つめた。同40分、封じ手の意向を伝えた。2局連続で千日手含みの封じ手となった。残り時間は藤井が4時間35分、永瀬が5時間16分。午後は藤井が時間を使う展開となった。形勢はほぼ互角。
藤井は本シリーズ2連勝で第3局を迎えた。本局を勝利すると、同位3連覇に王手がかかる。