劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)氏と、妻で女優の緒川たまきが主宰するユニット「ケムリ研究室」による舞台「ベイジルタウンの女神」(18日まで)が9日、東京・世田谷パブリックシアターで開幕した。
緒川の体調不良により、当初開幕予定だった6日と7日の公演が急きょ中止に。
2020年の初演以来、5年ぶりの再演となる本作は、お嬢様育ちの女社長(緒川)が、貧民街・ベイジルタウンの再開発を巡って賭けをすることから巻き起こる寓話的な喜劇。ベイジルタウンの住民を古田新太、水野美紀、坂東龍汰らが演じている。
また、14日公演のライブ配信も決定。午後0時半公演(全景映像)、午後6時公演(スイッチング映像)を有料配信する。アーカイブ配信は終演後から21日まで。東京公演後は兵庫、福岡、愛知、新潟を巡演する。
◆ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏コメント
200本近く芝居をやってきましたが、今日は10本の指に入る忘れられない初日になりました。やはりお客さんが入ると違う。
書いて演出してる人間が言うのもなんですが、「ベイジルタウンの女神」を観てると、登場人物たちみんなが羨(うらや)ましくなります。彼らと一緒に過ごせる毎日は幸せです。御心配御迷惑おかけしましたが、ケムリ研究室の相方である緒川さんも元気になりました。大千穐楽までがんばります。
◆緒川たまきコメント
客席からの熱気が届いて、舞台の上のベイジルタウンが明るく照らされているような初日でした。喜びも悲しみも分かち合ってくださるお客様のお陰で、より一層作品世界が鮮明になったと感じています。私の役マーガレットもたくさんのエネルギーをいただきました。ありがとうございます!
この度は私の体調不良により、多くの方にご心配とご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。5月14日には生配信もございますので、お心に留めて頂けましたら幸いです。
◆古田新太コメント
優しいお客さんばかりで大きな事故もなくいい初日でした。
◆水野美紀コメント
ドキドキしながら袖でお客様の反応を聞いて、やっぱり舞台というのはお客様という最後のピースが揃(そろ)って完成するのだなーと、しみじみと感じておりました。多幸感溢(あふ)れる物語の世界観にもっと浸っていたいと思ったけど、夢は儚(はかな)い。儚いからこそ、こうして共有できる事に価値があると思うのです。積み上げた時間と労力、たくさんの想いが詰まった儚く美しい時間を沢山(たくさん)のお客様と共有したい!皆様の心の潤いになればと思います。