俳優・中村雅俊(74)の代表作として知られる人気青春ドラマ「俺たちの旅」シリーズが、来年1月公開で映画化されることが11日、分かった。タイトルは「五十年目の俺たちの旅」で、中村が主演と、初の映画監督を務める。
1975~76年に日本テレビ系で連続ドラマ化され、昭和から平成にかけて3作の単発ドラマ(85、95、2003年)とリメイク版が制作された青春ドラマの金字塔が、令和に帰ってくる。
ドラマ版は、中村演じる三流私大に通う“カースケ”こと津村浩介、同級生の“オメダ”こと中谷隆夫(田中)、浩介の郷里の先輩で“グズ六”こと熊沢伸六(秋野)が人生にもがく姿を描いた青春群像劇。小椋佳が作詞・作曲し、中村が歌った主題歌「俺たちの旅」はストレートな歌詞が共感を呼び、87万枚の大ヒットに。カースケのゲタにジーパンのファッションも若者の間で流行するなど、社会現象となった。
ドラマから50周年の節目に製作される映画版は、それぞれの人生を歩むカースケらの“今”を描く。中村は「とんでもないことになりました! 『俺たちの旅』が映画になるというんです。もっとビックリすることが!!! 私中村が監督をやります!」と51年のキャリアで初挑戦することを明かした。
製作は、往年のファンからの「もう一度、あの3人(=中村、田中、秋野)に会いたい」との声に応えるべく実現。メガホンを執る中村は、「『俺たちの旅』を愛してやまない人たちに感動と懐かしさと切なさを提供したいと思っています」と約束する。田中は「作品を愛してやまない方々に、また、知らない世代の方々へも新たなストーリーを届けられることは喜びでもあり、模索を重ねた経緯からは正直少々不安も伴います」と率直な思いを語る。
秋野は「雅俊君は相変わらずハッピーでそばにいるだけで楽しいし立派な監督ぶりなんだ」と太鼓判を押す。
〇…ドラマシリーズから携わり、本作でも企画・脚本を務める鎌田敏夫氏(87)は「このドラマを貫いているのは、生きていくことの切なさです。ドラマの彼らも年を重ね、それぞれ違う人生を生きていっています。葛藤は強くなり、切なさも深くなります。ドラマの中の人間だけでなく作る側も同じです。みんなで紡ぎだす『切なさ』。それこそが『五十年目の俺たちの旅』だと思います」とコメントを寄せた。