将棋の棋士養成機関、奨励会に所属する16歳の山下数毅三段と、高田明浩五段による第38期竜王戦5組ランキング戦の決勝戦が12日午前10時、大阪・高槻市の関西将棋会館でスタートした。注目の対局とあって、タイトル戦も行われる会館の特別対局室で指された。
先に入室した山下は頭を垂れて指を組み、精神集中。遅れて同じ森信雄門下の兄弟子が入室しても目を合わせることなく、駒を並べた。振り駒の結果、高田が先手。互いに飛車先を突き、雁木の戦型に。しかし40手目から△3一玉▲6八金右△4二玉▲5八金△3一玉▲6八金右△4二玉▲5八金△3一玉▲6八金右△4二玉▲5八金となり、早くも午前10時30分に千日手が成立した。
同45分から指し直し。消費時間はそのまま持ち越され、先後が入れ替わって再開された。先手・山下が飛車先を突くと、今度は後手・高田が角道を開けた。勝者はトーナメントに進出し、まず6組優勝者と対局し、勝てば4組優勝者(石田直裕六段と狩山幹生五段の勝者)との対局となる。
現在高校2年の山下は昨年5月、第37期棋戦6組ランキング戦で決勝に進出し、プロ棋士以外の竜王戦出場者として初となる5組昇級を果たした。だが決勝で藤本渚五段に敗れ、規定による四段昇格資格は獲得できなかった。
しかし今期竜王戦5組ランキング戦で藤本、出口若武六段らを撃破。