サッカーJ1、C大阪のFW北野颯太(20)がオーストリア1部の強豪ザルツブルクから正式オファーを受けていることが12日、分かった。欧州サッカー関係者が明かした。

年代別の日本代表にも選ばれてきた将来性豊かなアタッカーには、同1部のオーストリア(A)ウィーンも獲得に乗り出す可能性があり、争奪戦に発展しそうだ。

 北野は今季トップ下でリーグ15試合出場で、4得点2アシストと既にキャリアハイの活躍を見せている。今季就任のパパス監督(45)が掲げる「超攻撃的サッカー」を中心で体現。速さ、技術、攻撃センスも抜群で評価が急上昇中だ。

 世界中の若手にとってオーストリア1部、特に優勝17度、育成力にも定評があるザルツブルクは、ビッグクラブへの“登竜門”だ。北野と同じ下部組織からC大阪一筋だった日本代表MF南野拓実(モナコ)は同クラブから、イングランドのプレミアリーグ・リバプールへ移籍。世界屈指の点取り屋、マンチェスターCのFWハーランドもかつて在籍。同クラブでの活躍が認められれば、欧州5大リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランス)の強豪へのステップアップも夢ではない。

 現在、オーストリア1部は2試合を残してAウィーンが3位、ザルツブルクが4位。2位以内に与えられる欧州CL出場権獲得の可能性を残す。関係者は「まだ何も決まっていない」と話すが、既にザルツブルクとは接触しており、交渉は今後本格化する。

 米国人の父、日本人の母を持つDFチェイス・アンリ(21)=シュツットガルト=にもオファーを出しているザルツブルクは、6月15日から始まるクラブW杯を控える。

補強の重要性を考えれば早期決着もあり得る状況。かねてから海外志向の強い北野が“南野ロード”を歩むのか、決断が注目される。

 ◆レッドブル・ザルツブルク 1933年創設。オーストリア・ザルツブルクを拠点とする1部優勝17度の強豪。トーマス・レッシュ監督(56)が率いる。05年に飲料メーカーのレッドブル社が買収。チームカラーは赤と白。過去にはDF三都主アレサンドロ、宮本恒靖、日本代表MF南野拓実らが所属した。ホームスタジアムはレッドブル・アレーナ(約3万人収容)。

 ◆北野颯太(きたの・そうた)2004年8月13日、和歌山・有田市生まれ。20歳。中学からC大阪の下部組織に加入。

U―23チームとして出場した20年10月25日のJ3・G大阪U―23戦でクラブ最年少となる16歳2か月12日で公式戦デビュー。22年2月にトップ昇格。U―15から各世代別日本代表にも選出され、国際舞台も経験。J1通算64試合8得点。J3通算8試合無得点。172センチ、60キロ。ポジションはFW。利き足は右。

編集部おすすめ