歌手の松田聖子(63)がシンガー・ソングライターの松任谷由実(71)と10年ぶりにタッグを組み、14日にデビュー45周年記念曲の第2弾「Stardust」を配信リリースする。

 同曲は、1920年代後半に米国で制作されたジャズのスタンダードナンバー。

愛する人との思い出を回想し、その切なさと美しさを歌った曲として知られる。

 2人のタッグは、ユーミンが呉田軽穂名義で作曲した聖子の35周年シングル「永遠のもっと果てまで」(2015年)以来になる。今回は同じ呉田軽穂名義で、日本語訳詞を担当。19年に「SEIKO JAZZ 2」コンサートを鑑賞した際にインスピレーションを受け、当時から温めてきたアイデアを反映させた。ユーミンは「聖子さんを喜ばせたかった。今の彼女の心情を自然に重ねられるような、この先ずっと愛し、傍らに置けるようなナンバーを提供できたらうれしい」と願った。

 出会いは1982年の「赤いスイートピー」まで遡る。同曲を作詞した松本隆氏(75)からオファーを受け、ユーミンが作曲を手がけた。「あの頃、『アイドル』というものが大嫌いで、仮想敵国のように思っていた。にもかかわらず、スーパーアイドル・松田聖子への興味が勝って引き受けることにした」と懐古。その後も「瞳はダイアモンド」や「渚のバルコニー」「不思議の国のアリス」など、数々のヒット曲の作曲を手がけてきた。

 ユーミンは「『アイドル』を真に貫いてステージに立ち続けて来たのは、松田聖子の他にはいない」と最大級の賛辞を贈る。

「歌手の運命は100%、その声質で決まる。(彼女は)素晴らしくメルティーで爽やかな歌声の持ち主。聖子さんは、聖子さんの運命を生きるしかない。私の音楽人生、松田聖子に出会えて本当に良かった」と振り返った。

 松田は「デビュー45周年という特別な年に、尊敬する松任谷由実さんから、また、大きな宝物をいただいたような気持ちです」と感激。「デビューからずっと素晴らしい曲を作っていただき、育てていただき、感謝の気持ちしかありません。今まで、歌ってきて本当に良かった。松任谷由実さん、本当にありがとうございます」と喜びをかみ締めた。

 同曲は、6月4日発売の45周年記念ベストアルバム「永遠のアイドル、永遠の青春、松田聖子。~45th Anniversary 究極オールタイムベスト~」に収録される。

 〇…楽曲のミュージックビデオ(MV)も14日に公開される。MVでは聖子がイメージした映像世界を再現。

出窓と星空のシチュエーション、風合いやバラの演出、衣装まで自らプロデュースした。見どころは聖子の表情。シンプルで美しい映像世界に、一段と奥深いストーリー性をもたらしている。聖子は「(楽曲の)美しいフレーズの数々からインスピレーションを受け、可憐(かれん)なバラが優しく風にそよぐバルコニーが心に浮かびました。その場所は、夢と現実が交差する小さなバルコニー。撮影を通じて、楽曲が紡ぐ物語に、さらに深く引き込まれ、その音色が描き出す幻想的な世界に改めて心を奪われました。多くの方々の心にも優しく、音楽と映像が織りなす物語の中で、共にそのひとときを感じていただけたら幸せです」とコメントした。

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