歌舞伎俳優の中村七之助、市川染五郎が8月の歌舞伎座公演「八月納涼歌舞伎」で「日本振袖始(にほんふりそではじめ)」に出演することになった。3部制の第2部で上演する。

 古事記・日本書紀に記された出雲の八岐大蛇(やまたのおろち)伝説をベースに近松門左衛門が書き上げた物語。七之助が妖艶な姫の姿から恐ろしい大蛇へと変貌する女形の大役・岩長姫実は八岐大蛇を、染五郎が生贄となった愛する稲田姫を救うため大蛇に対峙する勇ましい素盞嗚尊(すさのおのみこと)を、それぞれ初役で勤める。これまで岩長姫実は八岐大蛇を勤めて上演を重ねてきた坂東玉三郎が監修として参加する。

 同じく第2部でロシア民話などで知られる「火の鳥」の伝説をもとにした新作歌舞伎「火の鳥」を上演。演出も勤める玉三郎が火の鳥、松本幸四郎が大王(おおきみ)、染五郎と市川團子が王子・ヤマヒコ、ウミヒコ兄弟を演じる。病に苦しむ大王(幸四郎)の命により、兄ヤマヒコ(染五郎)と弟ウミヒコ(團子)は永遠の力を持つという火の鳥を探す旅に出る。

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