日本相撲協会は15日、元小結で西幕下3枚目・北勝富士(八角)の現役引退と年寄「大山」の襲名を発表し、同日、東京・両国国技館で記者会見が行われた。

 引退理由について北勝富士は「首や右膝のケガで思うような稽古や準備ができなくて最後の3月場所(春)の取組では悔しさというものが薄れてきた。

準備できないのだから仕方ないという気持ちが強くなった。これでは相手やファンに失礼だと思って師匠(八角親方=元横綱・北勝富士、日本相撲協会理事長)に相談させていただきました」。八角親方も「やり切ったと思います。最後の最後まで頑張れと言いましたけど、本人が決めたことなので」と労った。

 日体大2年の時に学生横綱に輝き2015年の春場所で初土俵を踏んだ。突き押しと左右の押っ付けで16年の九州場所で新入幕。17年の名古屋場所からは4場所連続で金星を挙げた。「思い出の一番は大横綱の白鵬関から金星を挙げたこと。自分の夢は一番強い力士がどれぐらい強いのかという気持ちがあり、その人と当たって勝てたことは財産。それと同期の御嶽海関とのすべての相撲。すべての対戦が意地の張り合いで力比べ。いいライバルだったと思います」。

 今後は八角部屋付きの親方として後進の指導を行う。「気合の入った、勝っても負けても、しっかり礼儀ができる力士を育てたい」と抱負を語り、八角親方は「いい親方になると思いますよ。ケガした力士の気持ちがわかりますからね」とエールを贈っていた。

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