日本相撲協会は15日、元小結で西幕下3枚目・北勝富士(32)=八角=の現役引退と年寄「大山」の襲名を発表し、両国国技館で記者会見が行われた。首や右膝の負傷を抱え、「準備できなくなって負けても、悔しいという気持ちが薄れてきた」と引退理由に挙げつつ、「この一番で全てが終わってもいいと思っていた。
23年の名古屋場所では豊昇龍との優勝決定戦に挑んだ。「気持ちが震えた。勝ちたかったが、自分の中では財産」と振り返った。師匠の八角親方(元横綱・北勝海)も「私から賜杯を渡すのが夢でしたが、やり切った。けが人の気持ちが分かるいい親方になると思います。頑張ってほしい」とエールを送った。
今後は八角部屋付きの親方として後進の指導に当たり、「気合の入った、勝っても負けても礼儀ができる力士を育てたい」と締めた。引退相撲は来年5月の予定。
◆北勝富士 大輝(ほくとふじ・だいき)1992年7月15日、埼玉・所沢市生まれ、32歳。埼玉栄高で高校横綱、日体大で学生横綱に輝き、2015年春場所で初土俵。強烈な左右のおっつけで敢闘賞1度、技能賞2度、金星7個を獲得した。