フランスで開催中の第78回カンヌ国際映画祭で15日、「ある視点」部門に出品された広瀬すずの主演映画「遠い山なみの光」(石川慶監督、9月5日公開)が公式上映された。広瀬や吉田羊らが現地で舞台あいさつと囲み取材に応じた。

 公式上映後には大きな拍手が起きた同作は、カズオ・イシグロ氏のヒューマンミステリー小説を映画化したもの。1950年代の長崎に住む主人公・悦子を広瀬が演じ、吉田が英国に移住した80年代の悦子をほぼ全編英語で演じる。

 同映画祭には、石川監督、イシグロ氏、広瀬、吉田、カミラ・アイコ、松下洸平、三浦友和が出席した。

 広瀬は、自身がブランドアンバサダーを務めるルイ・ヴィトンの白いノースリーブのドレスに身を包み、「(公式上映は)すごく特別な空間の中で、映画が届いたんだなと実感できる瞬間だった。景色が焼き付くような空間でした」と感激の様子。

 是枝裕和監督作「海街diary」(2015)以来2度目のカンヌ参加となった広瀬。「(15年の)当時はこの世界のことを全然知らないままラッキーな感覚でずっといた。10年過ごして改めて来てみて、いろいろ感じること、思うことがある。街ごと映画をもりあがげるこの空気感はなかなか経験できないカンヌならではの世界。今回は思う存分楽しみながら浸りたい」と瞳を輝かせた。

 カンヌ初参加の吉田は赤白の「寿ぎ」着物スタイルで登場。「(公式上映を)見ているときはみなさんの反応が気になって、見ていた。

この映画に携わったスタッフキャストの思いが一度報われた瞬間だなと感じました」としみじみ語った。

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