◆卓球◇世界選手権個人戦 第1日(17日、カタール・ドーハ)
【ドーハ(カタール)17日=宮下京香】開幕し、女子シングルス1回戦で、団体戦を含む10度目の世界選手権に臨んだ世界ランク9位の伊藤美誠(スターツ)が、同145位のブリアナ・ブルゴス(プエルトリコ)を4―0のわずか26分で一蹴し、2回戦に進んだ。「やっぱり初戦が大事。
盤石のスタートを切った。初戦は初対戦の相手だったが、同じプエルトリコ出身で対戦経験がある世界ランク17位のアドリアナ・ディアスをイメージし「動画を見て、ちょっとディアス選手っぽくてすごくいい感覚を持っているな」と警戒した。第1ゲーム(G)から多彩なサーブで主導権を握り、丁寧に打ち分けたレシーブで相手を翻弄(ほんろう)。攻めの姿勢で先手を取り、要所で鋭いスマッシュも決めた。
ゲーム中盤からは、相手もディアスのような変化を効かせた球を返してきたが、「何本もちょっと嫌らしく変えてきたりした。でも、イメージはできていました」と伊藤は冷静に対応。第2G、第3Gともに11―5で連取。3―0の第4Gは11―2で圧倒し、格下の相手を寄せ付けなかった。今大会の会場は、2台の卓球台が並んでいるが、午前最後の伊藤の試合は、隣の台は既に試合を終えており、外野の音も遮断された中での一戦。「いつも通りのいい状態でできた」と高い集中力を保って手応えのある勝利をつかんだ。
中国・蘇州での15年大会に14歳で初出場し、8強の快進撃から10年。10度目の舞台は「シングルスで初めてのメダル」と掲げている。初戦快勝で好発進を切った24歳は「10回目ってことが不思議。自分のことではあるんですけど…。でも10回目ということで自分の中では、またさらに歴史を作るぞという気持ちで頑張っていきたいと思います」と言葉に力を込めた。