◆卓球◇世界選手権個人戦 第1日(17日、カタール・ドーハ)

 【ドーハ(カタール)17日=宮下京香】開幕し、男子シングルス1回戦で、パリ五輪代表の世界ランク29位・篠塚大登(愛知工大)は、同37位の難敵・薛飛(中国)に0―2から逆転し、4―2で勝って2回戦に進んだ。約1時間10分の激闘を制し、勝利の瞬間は絶叫。

普段はクールな21歳は「最後まで自分の攻めの姿勢を貫けた。1回も弱気になることがなかった」。試合中に声を出し続けたことで、試合後の取材では声が枯れていたが、充実の笑みを浮かべていた。

 リベンジを果たした。昨年の世界ツアー、コンテンダー・マスカットでは敗れていた薛に挑んだが、先に2ゲームを接戦で取られた。「苦しかったけど、何とか我慢できた」。中国ファンの「加油!」との声援が大きくなったが、第3Gを13―11、第4Gを16―14で取り切り、試合を振り出しに戻すと、第5Gは13―12のゲームポイントからバックのレシーブで取り、右拳を握った。

 王国・中国の難敵に対し、返されたとしても、準備してきたロングサーブから3球目の攻撃を貫いた。第6Gを11―4で取ると、クールな表情を崩して絶叫。ベンチに入った男子代表の岸川聖也監督とガッチリ握手を交わし、喜びを分かち合った。指揮官も「ドローが決まった時点から厳しい1回戦になると分かっていた。6ゲームを通してすごくレベルの高い試合。

気持ちを切らさず戦ってくれた。レシーブも80%ぐらい長いツッツキを使って。中国選手にそういう戦術をとるのは難しいけど、4球目でカウンターを狙っていく戦術は貫けた。ロングサーブを出すのも強い選手に取る戦術としては難しい部分もあるけど、びびらずに行けたので良かった」とたたえた。

 18日は、同じパリ五輪代表の戸上隼輔(井村屋グループ)と組む男子ダブルス初戦に臨む。会場はルサイル・アリーナからカタール大学の体育館に移すが、14日に念入りに練習を積んでおり、篠塚は「こっちの会場とは感覚が違うと感じていたので、今日の試合は忘れて、またダブルスに向けて調整したい」と意気込んだ。

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