◆大相撲 ▽夏場所7日目(17日、東京・両国国技館)

 東前頭9枚目・安青錦が、同11枚目・遠藤を押し出し、2日目から6連勝で1敗をキープした。新入幕だった先場所は11勝を挙げて敢闘賞に輝いたウクライナ出身の21歳が、今場所も存在感を放っている。

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 安青錦は愚直に頭を下げ続けた。遠藤の右前まわし狙いを低い当たりと小刻みな突っ張りで防ぎ、最後は左を差して右はのど輪。頭は遠藤の顎の下に付ける“3点セット”で押し出した。

 頭を絶対に上げないのが安青錦の真骨頂。背中に1本の芯が通っているかのように必ず顎の下に頭を付ける。背筋が強いのだろう。現在の立ち合いは右手を前に出して当たっている。あの大横綱・輪島さんが得意にしていたスタイルだ。私も何度か対戦したことがあるが、圧力が伝わったかどうかわからない立ち合いでもある。足腰もいい。欠点も少ない力士だが、この立ち合いが現在の弱点でもあると思っている。

 私が輪島さんに勝った時は、突っ張りが効果を発揮した。

幕内上位には阿炎、大栄翔ら馬力があって突っ張りが得意な力士がズラリと控えている。上を目指せる力士。立ち合いの修正が急務と言えるだろう。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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