落語家の立川吉笑が28日、都内で真打ち昇進記者会見を行った。

 2010年11月に立川談笑に入門し、わずか1年5か月のスピードで二ツ目に昇進。

22年11月、落語立川流としては17年ぶりとなるNHK新人落語大賞を50満点で受賞。今年6月1日付けで真打ちに昇進することとなった。

 師匠と並んでやや緊張した面持ちの吉笑は冒頭、「6月1日付けで真打ちに昇進をさせていただきます立川吉笑です。どうそよろしくお願いします。談笑の一番弟子として、また、立川流が昨年一般社団法人になりまして、法人化してから1人目の真打ち昇進ということも運命めいたものを感じています。これからの立川流を引っ張っていくというとおこがましいですけども、それぐらいの存在になれるように頑張りたい」と話した。

 師匠の談笑は「談志が残した基準に従いまして、真打ちに昇進させるに足る力量があるという私の判断でございます。立川流はもちろん、東京の、そして関西を含めた落語界全体を、大きく盛り上げてくれる逸材であると自負しております」と太鼓判を押し、「嫁にやるような感じ。うれしいような、さみしような」と師匠としてあたたかい表情を見せた。

 6月1日には真打昇進披露興行を行い、中入り後の午後8時からYouTubeで無料配信。アーカイブ配信は販売し、6月7日より全編配信される。

 また、6月24日から「真打昇進披露興行in高円寺」として座・高円寺1で10日間12公演の興行を行う。

立川志らくら立川流の面々のほか、林家正蔵、神田伯山、春風亭昇太、ナイツ、Aマッソなど豪華出演者が顔を連ねる。

 談笑は「吉笑について一番うらやましいのは、師匠が優しいところ」と笑い、自身の師匠である談志さんが今の吉笑の活動を見たら「『おもしろいじゃねえか』と言うと思う」としみじみ語った。

 ある時、「落語は娯楽として楽しいんだ」と落語の魅力に気づき、落語家を志したという吉笑は、「上方だろうが江戸だろうが、落語っていうのが娯楽として楽しめるんだっていうのを、本当に発信していきたい」と、今の人々に落語を届け続ける。(瀬戸 花音)

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