テレビ東京の石川一郎社長の定例会見が29日、東京・六本木の同局で行われ、5月14日の取締役会承認された吉次弘志・専務取締役が6月19日に開催予定の株主総会から新社長として就任することについて言及した。
石川社長は「人事について申し上げますと、ホールディングスの役員は、今まではホールディングスと事業会社の役員を兼務するケースが多かったのですが、今回は選任の役員になってもらいました。
さらに、女性の比率を増やして役員の平均年齢も下がり「テレビ東京に関してはかなり若返りを図りました。今現在で言いますと、役員の平均年齢は60.6歳ですが58.1(歳)。2歳ちょっと若返りました」と話し「若返りが狙いではなくて、意思決定の中間段階をなくしてかなりスピーディーに企画から決定を進めて、事業の機動性を高める」と企画進行の流れを意識したものだと明かした。
2020年6月から社長を務めた石川社長は「社長に就任したのはコロナ(禍)真っ最中の時期でして、対面の取材も含めてなかなか厳しい時期でありました。5年間を振り返りますと、テレビを取り巻く環境及び、70年代からやってきた手法含めていろんなものが見直される、曲がり角に来た時期に社長を任されたと思います」と苦悩も語った。
さらに、今年3月には2023年放送の同局系番組「激録・警察密着24時!」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会が、番組に倫理上の問題があったとする見解を公表したことや、旧ジャニーズ事務所の問題、フジテレビ問題など様々な問題でテレビ業界を取り巻く環境が大きく変わったことも挙げた。「新しいテレビ業界をこれから作っていく過程で色んな場所で協力していければと思います」と振り返った。