「恋はみずいろ」「オリーブの首飾り」などのヒット曲で知られるフランス人指揮者のポール・モーリアさん(享年81)の生誕100周年を記念したベストアルバム「夢のラヴ・サウンズ」が、6月25日に発売されることが30日、分かった。幻の音源「レイン・アンド・レインボー(ロング・ヴァージョン)」が日本で見つかり、ボーナストラックとして収録が決定。
同曲は、1993年のアルバム「想い出のトッカータ」(原題「Emotions」)の収録曲。モーリアさんが夕暮れに見た虹から着想を得たものだ。ソプラノサックスとチェンバロの掛け合いから始まり、雨が降りしきる様をチェロとコントラバスで聴かせ、雨が上がった後に虹が出る様子をバイオリンで美しく奏でたナンバー。
気軽に聴ける軽音楽「イージーリスニング」の第一人者だったモーリアさん。イージーリスニング・ライターの故北川隆一さんが、未発表音源が録音されたデジタルオーディオテープ(DAT)を所有しているという情報を手がかりに、今回のベスト盤の監修、解説を担当したポール・モーリア「ラヴ・サウンズ」オーケストラ・ファンクラブ代表の小渕隆志氏が、北川さんの自宅に足を運び、遺品からDATを発見した。モーリアさんの直筆で「Rain And Rainbows(long version)」と記されていたという。
元々ソプラノサックスのソロが長い楽曲。オリジナルは4分27秒に縮めて収録されたが、「―(ロング・ヴァージョン)」は5分14秒で収録される。生誕100周年の節目に、貴重な音源が日の目を見ることになる。
〇…今年4月に死去したモーリアさんの妻イレーヌさん(享年100)が公認した公演「ポール・モーリア“ラヴ・サウンズ“オーケストラ」コンサートが、7月31日(1日2回公演)と8月1日に東京国際フォーラムホールA、8月17日に大阪フェスティバルホールで開催される。