J1清水エスパルスは30日、前半戦の折り返しとなるアウェー・C大阪戦(6月1日)に向け三保で一部非公開調整した。移籍後、初めての古巣戦を迎えるMF乾貴士(36)がMF香川真司(36)との盟友対決に闘志を燃やした。

 かつての“庭”に戻る時が来た。ヨドコウに立つのはC大阪退団前最後の試合となった22年4月5日の柏戦以来。「一つの目標だったので、すごく楽しみ。『乾はもう終わった』と思われている可能性もあるので、見返して、まだできることを示したい」と言い切った。

 相手中盤には香川が陣取る。08~10年に共闘し、J2だった09年は2人で計47得点を量産。「真司が高校生だった頃はボランチをしていたのでイメージはある。臨機応変に守備もやっていきたい」。ともにセレッソのエースナンバー8番を背負った同学年対決。中盤での攻防が、勝敗のカギとなることは間違いない。

 試合翌日の6月2日には37歳の誕生日を迎える。「必死に食らいついてます。

長い距離を走るのは苦手なのでパパッと終わらせるように」と謙遜するが、走行距離153・213キロはチーム3位で、スプリント回数272回は同トップ。前節(25日)の神戸戦では華麗な股抜きで元日本代表DF酒井高徳をかわしてFW北川航也(28)の先制点をアシストするなど、圧巻のテクニックを見せつけた。

 「(前回J1だった)3年前よりできていると思っている」。乾貴士の辞書に「衰え」はない。練習中も誰より元気なベテランが、かつてのホームで主役を射止める。(武藤 瑞基)

 〇…ここまで7勝4分け7敗の秋葉忠宏監督(49)は「勝ち越して終われるかは自分たち次第」と前半戦の貯金ターンを厳命した。J1でのアウェー・C大阪戦は99年から18戦勝ちなし。最後の白星となった98年8月の一戦(3〇1)でセレッソの一員として途中出場していた指揮官は「(過去の戦績は)気にしていない。(相手は中3日で清水に)アドバンテージがあるので走力、インテンシティーで差を見せたい」と誓った。

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