◆明治安田J2第18節 藤枝2―1山形(31日、藤枝サ)

 藤枝MYFCはホームで山形を2―1で下し、6試合ぶりの白星を挙げた。前半44分にMF浅倉廉(24)のゴールで追いつき、後半21分にはCKからMF杉田真彦(29)が決勝弾。

今季2度目の逆転勝ちで暫定13位に浮上した。

 降りしきる雨が心地よかった。ピッチにもスタンドにも笑顔の輪が広がった。藤枝のホーム勝利は3月30日の長崎戦以来、2か月ぶり。今季最長となる5戦勝ちなしのトンネルを抜けた須藤大輔監督(48)は「感動の一言。罵声を浴びても文句を言えない中、喜び合えたのは本当のファミリーだから」と、声をからしたサポーターに感謝した。

 チームが得意とするハイプレスからのショートカウンターで反撃ののろしを上げた。前半44分、高い位置でボールを奪い、拾った浅倉が利き足と逆の左足で同点弾を突き刺した。本来は左シャドーで先発予定だったが「左足の感覚が良かったので信じてやってみた」と右への配置転換を試合前日に訴えたことが奏功。カットインからの一撃で、チームに5月6日の仙台戦以来となる得点をもたらした。

 後半21分には、先発を外れていた杉田が左CKを左足でとらえ勝ち越しのミドル。「仲間がつぶれてコースを空けてくれたので、ふかさないことを意識した。

ヒーローになりたい気持ちがあった」。前節の山口戦後、スタンドで涙するサポーターの姿が視界に入った。前主将として、胸が痛かった。「その景色が頭に残っていた。勝たせてあげたかった」。ボランチとして最後まで守備にも奮闘。長く待たせたが、ようやく一緒になって笑える日が来た。

 次の公式戦は11日の天皇杯2回戦。リーグは15日にアウェー・富山戦が待つ。「満足せず、この流れを続けてもっと上に行きたい」と浅倉。藤色軍団が目指すべきゴールは、まだ先にある。(武藤 瑞基)

編集部おすすめ