◆明治安田J3第14節 琉球2―1金沢(1日、金沢ゴーゴーカレースタジアム)

 ツエーゲン金沢は1―2で最下位の琉球に逆転負け。5試合連続の勝ちなしで11位に後退した。

前半2分、相手のパスミスを起点にMF西谷和希(31)が先制ゴール。しかし同42分にゴール前の混戦から同点に追いつかれると、後半24分には鮮やかなカウンターで逆転を許した。試合後、ゴール裏のサポーター席からはブーイングがわき起こり、伊藤彰監督の責任を問う声も噴出。「まだ終わってないぞ」「何とかしてくれ」と悲痛な叫び声も飛び交った一方で、選手たちには激励や拍手が送られた。指揮官は「いろいろと思われることもあると思いますが、攻撃的な姿勢を見せた選手をたたえたい。勝てなかったことは、すべて僕の責任だと思っています」と振り返った。

 シュート数は琉球の10本に対し21本を記録。厳しいマークを受けたFWパトリック(37)にもクロスが合わず、4本のシュートは不発に終わった。終盤は猛攻も見せ、バーやポスト直撃の惜しいシュートもあったが、ネットを揺らすことは出来なかった。伊藤監督は「先制できたが、ラインの高さを含めて中途半端になった部分があった。後半は我々が勝ちを狙った中で、攻撃でのリスクマネジメントが選手、スタッフも含めて足りなかった。これだけチャンスを作って、決めきれないと勝てない」と厳しい表情を浮かべた。

 今後の改善点について指揮官、選手ともに一致していたのが、メンタル面での改善だ。伊藤監督は「メンタルも大事で、球際の部分で足りないのかなと思う。ラフに向かってくるチームに対し、劣勢になるところがある」と指摘。この日、キャプテンマークを付けて奮闘したGK山ノ井拓己(26)は「これだけ素晴らしい選手が集まっている中、結果が出ないというのは心の部分だと思う。すぐに結果は表れないが、ポジティブな言葉を言い続けることも大切になると思う」と話した。

 今季の目標は、自動昇格の2位以内に入ってJ2へ復帰することだが、昇格プレーオフ圏内の6位からも徐々に遠ざかっている。山ノ井は「本当は今日の試合を機に連勝して、6月中に自動昇格圏に行きたいと思っていた。他会場の試合はわからないが、今の時点で目標を下げることは違うと思う」と思いを吐露すれば、伊藤監督は「次に向かって選手と立ち上がり、大きな壁を乗り越えられるように努力したい」と前を向いた。厳しい状況の中、チーム全員で打開策を模索する。(中田 康博)

編集部おすすめ