timeleszの橋本将生(25)が初登場。約10か月間に及んだ新メンバーオーディション「timelesz project」(タイプロ)を経て、2月5日に新加入し、約4か月がたった。

インタビュー前編では、社会現象にもなったタイプロを振り返った。

 目が合うなり、橋本は深く、深く頭を下げた。「よろしくお願いします」の声は斜め下に発せられ、床に跳ね返ってこちらに届いた。視線を上げても、直立したまま、動かない。記者が着席する様子を見て、橋本自身も椅子を引いた。緊張とぎこちなさと同時に、礼儀正しさと丁寧さが伝わってきた。

 昨年4月1日。グループ名の改名と同時に発表された新メンバーオーディション、「タイプロ」。Netflixによる毎週の配信は大反響を呼び、終了から3か月たった今も“余韻”は漂っている。雑誌の表紙やテレビCMを飾り、グループの冠番組が始まり、今月からは全国ツアーを巡る。タイプロ以前は、焼き肉店でアルバイトをしていた橋本はハッキリと言った。

 「本当に、世界は変わりましたね」

 「紡ぐ」というフレーズがぴったりと当てはまるように、丁寧に言葉を重ねた。

 「もともと焼き肉屋さんでバイトをしていたので。生活といったらアレですけど、稼がないといけなかったので。(オーディション中の)11月末までは週4、5で働いていましたね。お金をためて、5次審査からは集中できるように。今、このようにお仕事できることを幸せに思います」

 「夢」の入り口となった履歴書を送ってから、ちょうど1年がたつ。

 「4月1日から応募が始まって。5月末まで募集していたんですよね。僕は、書類を送ったのがギリギリで。送ろうとは思っていたんですけど、一番最後だと、しっかり見てもらえるかなって」。そう言って笑うと、かみ締めるように続けた。「あれから、もう1年ですか。あっという間だったなと思います」。

かみ締めるような口ぶりは、いかに濃密な時間だったかを感じさせた。候補生とメンバーと共に過ごした日々を「青春」と言った。

 「皆でご飯を食べた時間、レッスン終わりに一緒に帰った時間…何でもないような瞬間が青春でした」

 その「青春」は、見る者を引きつけ、日本中にブームを巻き起こした。

 「右肩下がりにならないように。今がピークではなく、ずっとピークでいられるように」。自身の言葉に、思いに相づちを打ちように、橋本は何度もうなずいた。=後編に続く=(ペン・田中 雄己)

 ◆橋本 将生(はしもと・まさき)1999年10月17日、神奈川県出身。25歳。焼き肉店でアルバイトをしながらタイプロに参加。趣味はダンス、ゲーム。176センチ。血液型不明。

メンバーカラーはピンク。

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