3日に肺炎のため89歳で死去した巨人終身名誉監督・長嶋茂雄さんと同い年で、親交のあった俳優の毒蝮三太夫が同日、スポーツ報知の取材に応じ「もう会えないと思うと、片腕をもがれたよう」と悲痛な思いを明かした。
長嶋さんが1936年2月、毒蝮が3月生まれの同学年。
訃報(ふほう)はこの日、起床後に知った。「覚悟はしていたし、こういう知らせがいつかは来るかなと思っていたけど…。闘病生活も長かったし、苦しかったんじゃないか」としんみり。「華やかで、ひまわりのような人。戦後日本の野球ファンだけじゃなくて、国民も明るく照らしてくれた」と感謝した。
ミスターは、巨人で2度目の監督を務めていた1996年のキャンプ中に60歳の誕生日を迎えたが、報道陣の前で赤いちゃんちゃんこに袖を通しながら「初めて還暦を迎えて…」と球史に残る“天然発言”を放ったことで知られている。後日、毒蝮が球場に激励に行った際「あれはアドリブ?」と聞いたところ、実はその話には続きがあったという。
「俺は笑わせるために言ったんじゃないんだよ。ちゃんとコメントを準備していて、還暦の次には120歳の大還暦がある。
同じ時代を生きてきたミスターとの別れ。毒蝮は「大きな星が堕ちたな、寂しいな。長嶋さんがいない時代に俺たちはこれから打ち勝っていかなきゃいけないんだ」と思いをはせつつ「俺はこれからはね、長嶋さんの分も頑張ってね。迎えたかった2回目の還暦、120歳まで生きていく」と長嶋さんの思い出を語り継いでいくことを誓った。